【浦和】ラストプレー同点弾の森脇良太を中心に歓喜の輪。大きな顔を「もみくちゃにされた」
川崎戦の90+5分、ラストプレーで浦和の森脇良太が決めた!写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
西川の攻撃参加が数的優位。見逃せないぬかりなさ。
[J1 14節] 川崎 1-1 浦和/2019年6月1日/等々力陸上競技場
浦和レッズのDF森脇良太が川崎フロンターレ戦の90+5分、コーナーキックの流れからラストプレーで執念のシュートをねじ込み、大槻毅新体制の初陣に貴重な勝点1を掴んだ。
アディショナルタイムの4分間にちょうど突入し、誰もが最後のプレーだと思った。
武藤雄樹からのコーナーキックがクリアされたが、宇賀神友弥が粘って前方へ蹴り込む。そこにいたGK西川周作がフリックし、こぼれてきたボールを森脇がねじ込んだ。
シュートはしっかりミートできなかったという。それがブロックに来ていた相手に当たり、ボールの軌道が変わったことで決まった。幸運も重なったと言えただろう。
ただ、西川が攻め上がったことで生まれた数的優位を生かした。サイドで一人余る形で、じっとチャンスをうかがう。そんな森脇のぬかりなさもまた見逃せない一撃だった。
「周作選手がフリックして、相手の股を通って自分のところに来ました。その時は『来た!』と思い、足を振ることだけを考えました。でもジャストミートせず変な方向にボールが飛んで行ってしまった。ただ相手にうまく当たり、『これは入りそうだ』と思いました」
ゴールが決まると、歓喜の輪が出来上がった。浦和の46番はそこで、もみくちゃにされた。
「嬉しかったです。みんなから髪の毛を引っ張られたり、顔にもみくちゃにされたり。ま、でもみんなと喜び合えて良かったです。諦めない姿勢。みんなで同点ゴールを目指したことで決められました」
この日は途中出場。ひとつ結果を残さなければいけないという危機感もあった。また、これまでも多くの劇的ゴールを決めてきた森脇だが、今回のように、まさに”気持ち”でねじ込んだゴールの形もまた珍しい。これもまた大槻効果なのだろう。
「まだまだやるべきことはたくさんあります」
試合自体は特に後半、川崎に主導権を握られ続けた。そのなかで連敗を4で食い止め、浦和が一歩を踏み出した。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI