3バックの伝道師、浦和DF槙野智章が負傷で日本代表を離脱
日本代表でプレーする槙野智章。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
15日からの鳥栖、蔚山現代との連戦に間に合うか?
日本サッカー協会と浦和レッズは6月8日、キリンチャレンジカップ2019に臨んでいた日本代表のDF槙野智章がケガのためチームを離脱すると発表した。ケガの詳しい箇所や全治期間は不明。これから浦和に戻り検査を受けることになる。
槙野は今回浦和から山中亮輔とともに選出されていた。また、コパ・アメリカ(南米選手権)には、同時期にアジアチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝トーナメント1回戦の2試合が組まれていることもあり、浦和からは招集されていない。
今回のキリンチャレンジカップ6月シリーズでは、森保一監督が就任後初の3バックを実戦で採用し、9日のエルサルバドル戦でも引き続き3-4-2-1布陣で戦うことが予想される。
槙野はサンフレッチェ広島、浦和レッズで、不動の3バックの左ストッパーとして活躍。日本代表にコンスタントに選ばれるようになり、ドイツの1FC.ケルンへの移籍も果たした。
そして2012年、元広島のミハイロ・ペトロヴィッチ氏(愛称ミシャ、現・北海道コンサドーレ札幌監督)が浦和の監督に就任すると、フロントに最優先でリクエストしたのが槙野の獲得だった。独特といえるミシャの3-4-2-1の戦術を浸透させるため、不可欠な人材として日本へ呼び戻したのだ。
広島ではミシャの後継者として、森保監督がその基本布陣を継続し、よりバランスの良いスタイルを構築することに成功。そしてJ1リーグで、日本人最多となる三度の優勝に導いた。
今回の日本代表活動の限られた時間のなか、しかも多くが4バックの布陣で戦う選手たちに、「3バックの伝道師」とも言える槙野が練習の段階から3-4-2-1の特長や意図、狙いを伝えることも多かったはず。森保監督の槙野招集の狙いも、そこにあったのだろう。
そしてエルサルバドル戦では実際にストッパーとしてプレーする姿を見せてほしかっただけに、とても残念だ。
浦和は6月15日にJ1リーグ15節サガン鳥栖戦、19日にアジアチャンピオンズリーグ(ACL)蔚山現代戦とホームでの連戦が続く。そこに槙野は間に合うだろうか。1日も早い完全復活を待ちたい。
文:サカノワ編集グループ