【なでしこジャパン採点】明日、大一番!熊谷&南の「新旧浦和」CBコンビを評価、攻撃陣は低めに
[WOMAN OF THE MATCH]バージニア・ゴメス(アルゼンチン女子代表)
選手交代のたびにリズムが悪くなった攻撃面の問題を修正し、上場気流に乗りたい。
[女子W杯 GS①] 日本 0-0 アルゼンチン/2019年6月10日(現地)/パルク・デ・プランス
フランス女子ワールドカップ(W杯)グループステージ第2戦、なでしこジャパン(日本女子代表)は6月14日(日本時間22時から)、レンヌのスタッド・ドゥ・ラ・ルート・デ・ロリアンでスコットランド女子代表と対戦する。グループステージ突破に向けて、勝点3獲得が必須となる。
その試合を前に、改めて初戦のアルゼンチン戦を選手採点とともに振り返りたい。
結果論になるが――。前半空回りを起こしていた横山久美だが、後半に入って修正し、チームのために体を張るプレーを続けた。ベンチの動きを見ると、ハーフタイムの段階で、横山から岩渕への交代が予定されていた感はあった。
ただ結果的に彼女の交代後、攻撃のバランスはむしろどんどん悪くなり、チームとしてどのようにゴールを攻略するのか「狙い」を定められなくなっていった印象を受けた。むしろ、2トップをはじめ周囲とのコンビネーションを構築するのにやや時間を要す菅澤(そこでハマるとチャンスを量産できるが)との交代でも良かったか……。
ゴールへの道筋のイメージを全員で共有する――。それができるかどうかがスコットランド戦の勝利であり、グループステージ突破への条件になるか。
▽▽選手採点
通信簿のように、最高点が5、最低点が1。原則として、出場20分以上が採点対象。
▽先発出場
GK
18 山下杏也加 3
被シュート5本のうち枠内は1本のみ(他は2本ブロック、2本枠外)。最後まで集中を保った。
DF
3 鮫島 彩 3
守備に軸足を置いてバランスを保った。前線へのフォローも悪くなかった。
4 熊谷紗希 4
南とのコンビはバランスが良く、ふたりで相手のアタックをほぼ完ぺきに止めた。
12 南 萌華 4
何度か相手エースに自陣深くまで引っ張り込まれて間延びしてしまったが、よく踏ん張った。上々のW杯デビュー。
22 清水梨紗 3
W杯デビュー戦、攻撃参加を頻繁に繰り返した。もっと豪快に攻めたかった。
MF
17 三浦成美 3
中盤で「壁」になる求められた役割はまっとう。仲間を信じ、このまま堂々としたプレーを貫きたい。
6 杉田妃和 3
前半のうちにイエローカードをもらった影響か、後半はやや慎重に。前線のキープ力が低かったことも影響し、思い切った飛び出しもできなかった印象だ。
7 中島依美 2 (▽74分)
これが初戦の目に見えぬ重圧か……。持ち味である相手の裏を突いたり、意表を突いたりするアグレッシブなアタックが影を潜めた。見せ場は惜しいシュート1本に終わる。
14 長谷川唯 2
攻撃のキーマンとして、両サイドのMFでプレーして牽引。誰よりも高い技術を披露していたのは「3」以上の評価。ただ、後半の枠外にシュートをふかした決定機逸はやはり減点材料に。
FW
9 菅澤優衣香 2(▽90分)
期待された推進力を発揮できず。自身の間合いになかなか持ち込めなかった。横山がベンチに下がったあと、むしろ存在感が希薄になってしまったか。
20 横山久美 2 (▽57分)
前半は単騎突入でボールを失い、判断も悪かった。後半修正を図り、体を張ったポストプレーも機能し出した。岩渕への交代は妥当だと思われたが……試合が終わってみれば、彼女がピッチに残っていたほうが良かったのでは? と思わされるのが、またサッカーの不思議で面白いところか。
▽交代出場
FW
8 岩渕真奈 3 (▲57分)
横山と代わってピッチに立ち、攻撃のリズムは大きく変えた。彼女自身のパフォーマンスもまずまずで、明らかに相手は嫌がっていた。だが前線の「基準点」がなくなり、チームとしての崩しの狙いも曖昧になった。
MF
19 遠藤 純 ― (▲74分)
19歳で堂々のW杯デビュー。意欲は伝わってきたが、岩渕に続くドリブラーの投入で、チームとしてではなく、選手個々がゴールへベクトルを向ける形になった。なでしこジャパン全体としてのパワーをゴールへ向けられなかったのは、采配や戦術の問題だったか……。
FW
13 宝田沙織 ― (▲90分)
追加招集から抜擢された19歳のアタッカー。結果的に、最後は周りの良さを引き出せる選手が、長谷川ぐらいになってしまい、その長谷川を含めて、宝田も……攻撃陣全員の特長が埋没してしまったか……。もったいなかった。
文:サカノワ編集グループ