【日本女子代表】普段冷静な長野風花が滲ませた悔しさ。明日早朝に東京五輪金メダルのカナダ代表戦
アメリカ戦で活躍した日本女子代表(なでしこジャパン)の長野風花。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
アメリカ戦はシュート数15本、その中盤を支える。「こういう勝負をモノにしていかないと上には行けない」
[シービリーブスカップ] カナダ女子代表 – 日本女子代表/2023年2月22日15:00(日本時間23日6:00)/トヨタ・スタジアム
「She BelievesCup」第2戦、ターンオーバーで戦力を落としてきたアメリカ女子代表にシュート数15本対5本と上回ったものの0-1で敗れた。
収穫の一つと言えるのが、アメリカのパワーを生かした攻撃を想定し、その狙いを持って攻撃を展開できたこと。その中心にいたのが長野風花(リバプールFC)だった。
長谷川唯(マンチェスター・シティ)とのボランチコンビが、初戦ブラジル戦では孤立していた植木理子(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)との縦関係の修正を施し(一方がフォローし、一人が下がる)、多くのシュートチャンスにつなげていった。
さらに長野は、守備面でリスクの芽を摘み取る献身性も光った。守備から攻撃に転じれば、縦にスピードを変化を加えるスルーパスを通していく。その流れから自身もミドルを放ったがクロスバーを直撃。チームが欲する1点をもたらすことはできなかった。
「紗季さん(熊谷)とも試合後に話したんですけど、これがサッカー。自分たちが多くのチャンスを作っても、結果は私たちが勝点0、アメリカは勝点3。こういう勝負をモノにしていかないと上には行けない。本当に、本当に悔しいです」
いつも冷静な長野はそのように唇を噛んだ。
昨年11月のスペイン遠征から強豪相手に4連敗を喫した。いずれもノーゴール。
当然ながら攻撃陣はその事実を重く受け止めている。次なる相手は東京オリンピック金メダルのカナダだ。守備のリスクを最小限にして、ゴールに迫る。ボランチの長野には、その難しいタスクが求められる。
「勝点3を絶対に取りに行きます。もっともっと攻撃に厚みを加えないと、チャンスも作れない。とにかく前線に人数を掛けて、みんなでいいポジションを取っていくことが大事になってくると思います」
この夏のW杯へ自信を持って挑むためにも、今なでしこジャパンに必要なのは、3バックの新システムによる勝利だ。
オーストラリア・ニュージーランド共催の女子ワールドカップ(W杯)の前哨戦と位置づけられる4か国による「She Believes Cup」最終第3戦、なでしこジャパンは日本時間23日6時から、テキサス州トヨタ・スタジアムでカナダ女子代表と対戦する。FIFAランキングは日本11位、カナダ6位。
[取材・文・写真:早草紀子]