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【湘南】元C大阪ユースの鈴木冬一が完敗に肩を落とす「この一戦に懸ける思いは特別強かった」

C大阪戦で右ウイングバックとして先発した湘南の鈴木冬一。(C)SAKANOWA

U-20W杯のチームメイトだった幼馴染み、瀬古歩夢との対決も実現。

[J1 17節] 湘南 0-2 C大阪/2019年6月30日/Shonan BMWスタジアム平塚

 湘南ベルマーレのMF鈴木冬一が小学から高校時代の途中まで在籍したセレッソ大阪との一戦、3-4-2-1の右ウイングバックで先発して、何度かチャンスを作り出したものの得点につなげることができず。69分に古林将太と途中交代した。

 鈴木はC大阪U-12からU-18まで下部組織に在籍し、C大阪U-23として2017年にJリーグデビューも果たしている。年代別代表にも選ばれてきたが、U-17ワールドカップ(W杯)を経て、高校3年時の2018年度、長崎総合科学大附属高に転入。チームの中心選手として、全国高校選手権にも出場し、今季、湘南で戦う道を選んだ。

 鈴木は試合後、”古巣”との対戦に懸けていた率直な思いを吐露した。

「この一戦に懸ける思いは特別強かったです。あまり考えすぎないようにしていましたが、いざ試合当日を迎え、スタジアムに来て、セレッソのサポーターの皆さんのことを見ると、思い返すことがたくさんありました。

 もちろん今は湘南ベルマーレのエンブレムをつけているので、負けたくない気持ちしかありませんでした。でも結果的に、負けてしまい、本当に悔しい気持ちしかありません。連敗している悪い流れを断ち切りたかった。それをできなかった不甲斐なさを痛感しています」

 敵陣の深い位置に進入し、相手を揺さぶるシーンを何度か作り出した。ただ、そこからさらにあと一歩を崩すことができなかった。

「もちろん、小さい頃から育ててくれたクラブに感謝の意味でも、自分のプレーをしっかり見せたかったです。今日はミスが目立ち、個人の突破もあまりできず、本当にチームに迷惑をかけた思いしかないです。ここ最近、ゴールを取れない、という印象があります。どうにかして、綺麗な形でなくていいから、泥臭くてもいいので、本当に1点を大事にして、次の試合に臨みたいです」

 相手ゴール前には、同じくC大阪U-12時代からともに戦ってきた同い年であり、先のポーランドU-20W杯にU-20日本代表のチームメイトとして臨んだ瀬古歩夢がいた。マッチアップする機会は限られたものの、鈴木にとって、触発される機会となった。

「一番仲が良いので、こうしてJ1のピッチに立てたことは本当に嬉しいです。でもチームとしても、個人としても、セレッソのほうが一歩上だったかなと思います。瀬古と僕のサッカー人生は始まったばかりなので、試合に出ることで、お互い高め合っていきたいです」

 チームは3試合連続のノーゴールで、リーグ5連敗。5勝2分10敗の勝点17、18得点26失点。15位ではあるものの、最下位のジュビロ磐田とは勝点3差、17位の松本山雅FCとはわずか勝点1差だ。

 高卒ルーキーながらリーグ12試合に出場する鈴木は、この”古巣”との一戦で何を感じ取ったのか。噛み締めた悔しさを力に変えるしかない。その小さな体から繰り出すダイナミックなプレーで、チーム全体を奮い立たせたい。

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文:サカノワ編集グループ