女子サッカーの価値向上と社会貢献へ「なでしこケア」発足。熊谷紗希が代表理事に

熊谷紗希、大滝麻未、近賀ゆかりが記者会見を実施。また難病を患う子供を授かった母たちで結成された女性和太鼓奏団「ひまわりのやうに」が演奏を披露した。(C)なでケア

女子サッカー選手が主体となって活動展開へ。

 女子サッカー選手による「女子サッカーの価値向上」と「地域や社会の課題解決」を目的に、一般財団法人「なでしこケア」の設立イベントが7月12日、東京都内の内幸町ホールで行われた。代表理事は日本女子代表(なでしこジャパン)のキャプテンでオリンピックリヨンに所属する熊谷紗希。FIFAマスターを取得したジェフユナイテッド市原・千葉レディースの大滝麻未が中心となって発足を果たした。熊谷とともに2011年の女子ワールドカップ優勝メンバーでもある近賀ゆかり(オルカ鴨川FC)も加わり、同日記者会見を実施した。

 活動の柱は二つ。一つ目が「女子サッカー(なでしこ)の普及活動」。特に中学生年代(13-15歳)の受け皿不足問題の解決、国際交流の場の提供。また「選手が不安を抱えている」というセカンドキャリアなど、キャリアビルディングに関する取り組み。「女性として自立し、女子サッカー引退後のキャリアも充実していけるような場所にしていく」(大滝)。

 二つ目が「社会・地域との課題解決」。アスリートとしての価値を社会に発揮し、頼れる存在になっていくこと。そこからNPOとのコラボレーションなど、地域貢献したい時にできるような体制づくりをしていく。

 また、いろいろな人を巻き込みながら、社会の偏見や決めつけをなくしていきたいという。大滝は「『サッカーは男子のスポーツ』という偏見と私たちは向き合い、日ごろプレーしています。アスリートから発信するメッセージは力があると思うので、ポジティブな発信をしながら仲間を増やし、世の中をポジティブな方向に変えていければと思います」と語った。

 そして今回、難病を患う子どもを持つ母親たちを支援する団体「公益社団法人 難病の子どもとその家族へ夢を」と協定を調印。これから全国53ある施設で、なでしこの選手たちとともに具体的なアクションを起こしていくことになった

 熊谷は次のように語り、この活動への理解を求めた。

「このなでしこケアでは、日本女子サッカーの未来のため、私たち女子選手は何ができるを考え、探し、行動していきます。そのなかでの出会い、新しい経験から、自分たちの世界を広げていきたいです。この活動を通して女子サッカーの価値を高めるとともに多くの少女たちに『なでしこになりたい』『なでしこを目指したい』と憧れてもらえるような存在になっていきたいと思います」

 また、近賀はこの活動の意義を次のように説明した。

「私が携わろうと思ったキッカケは、オーストラリアにいた時、チームメイトや各国の選手が自ら各クラブやリーグを盛り上げようとする意識が高く、プロ選手として社会貢献活動を積極的に行っている姿を目の当たりにし、日本でも、もっともっとこうした活動が必要だと感じました。

 私自身も全くと言っていいほどそうした活動をしてこなかったので、必要だと思いました。女子サッカーのため、女子サッカーが社会を元気づけるような存在になっていけるように頑張っていきたいと思います」

 そして大滝はこの日を迎えるまでの経緯と今後のプランを説明した。

 2017年12月、FIFAマスターを終えて帰国し、海外組の選手が集まって女子サッカーへの熱い思いを語り合うなか、熊谷らと「何か形にしようね」と言って解散。その後も、選手間でいろいろな意見をかわすなか、選手の思いを形にしていくプラットフォームとして、”なでケア”発足に至ったという。

 そのうえで、上記のような二本の柱で、活動を展開していこうと協議し合い、この日に至ったという。大滝は「アスリートとしての社会的価値を理解し、プロ意識を高めることで自立し、女子サッカーの価値を最大化していきます。そしてその価値を社会に還元し、活躍の場をピッチの外につなげながら、社会に寄り添う存在になっていきたいと考えています」と抱負を語った。

 この日を機会に「なでしこケア」の名前を広め、今後はワークショップなど「小さな活動を積み重ねながら」、財源の確保、新たなアクションを起こしていく。「やらされている活動にはしたくない」が基本スタンス。女子サッカーを長年牽引してきたINAC神戸レオネッサの鮫島彩は「自分にできることを探しながら取り組んでいき、女子サッカーをもっと皆様方から愛されるスポーツにしていきたいと思います」とメッセージを寄せている。

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[サカノワ編集グループ]

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