【浦和】興梠が札幌戦でJ史上初8年連続二桁ゴールなるか。ミシャに「成長した姿を見せたい」
鹿島戦でゴールを決めた興梠慎三。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
最近3戦連発、7試合5ゴールと量産。
[J1 22節] 札幌 – 浦和/2019年8月10日14:00/札幌ドーム
今季J1リーグ「9」ゴールを決める浦和レッズのFW興梠慎三が、8月10日のアウェーでの北海道コンサドーレ札幌戦、Jリーグ史上前人未到となる8年連続リーグ二桁ゴール達成に挑む。
先週は7月31日の鹿島アントラーズ戦で88分に同点弾、8月4日の名古屋グランパス戦で前半アディショナルタイムに1点差に詰め寄るゴールを、いずれもヘディングで奪取。最近リーグ7試合5ゴールと量産している。
名古屋戦での武藤雄樹のクロスにドンピシャで合わせた今季9ゴール目は、DF陣とのポジショニングの駆け引きで勝った時点で、”決まった”と確信できたという。
「右サイドを良い形で崩せて、(クロスは)ニアに突っ込むより、球筋的にファーに来るだろうと動き直して良いポジションを取ったところへ、武藤から良いボールが来ました。あとは決めるだけでしたね。ただ、もう少しチャンスがあったので、それを決められれば良かったけれど、前半で1点取れたことで、勢いづけられたかなと思います」
少し首を痛めていたそうだが、「試合になればまったく問題ない」ということだ。
猛暑のなかでフル出場を果たし、体力面の消耗度は激しかった。浦和のエースは「ACLを戦うことが決まった時点で、厳しい日程になることは分かっていたこと。そのためにキャンプからハードワークをできるように走り込みをしてきました。それだけに、こうした試合は勝ちたかったですね」と悔やんでいた。
鹿島での最後の2012年、そして浦和に移籍してきた2013年から毎年、計7シーズンにわたって二桁ゴールを決めてきた。2016年に自己最多14ゴール、2017年にさらに上回る20ゴール、昨季も15ゴールと、30代になってから一段と進化を遂げていることも特筆すべきことだろう。
「早いうちに二桁(ゴール)は決めたい。なるべくならば、次節の札幌戦で。ただ何より、最近先に点を取られているので、チームとして先制点を奪って、自分たちのペースで試合を運びたい。その1点が自分のゴールになるように頑張りたいと思います」
前人未踏の記録達成は目の前だが、「名を残せるのは嬉しいこと。それをできるのもスタメンで出場を続けることが大切なので、両親には感謝したいです」と語った。
次節対戦する札幌を率いるのは、元浦和のミハイロ・ペトロヴィッチ監督である。
「(ミシャの目の前で決めたい?)いや、ミシャの前でなくてもいいけれど……、ただ僕にとっての恩師であるので、そこで成長した姿を見せたい。それにホームでやられている(●0-2で敗戦)ので、その借りはしっかり返したい」
そのようにまずは興梠らしくチームの勝利を優先したいと強調していた。
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[取材・文:塚越始]
text by Hajime TSUKAKOSHI