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【浦和】逆転へ望み、興梠慎三が意地の一発。前半の不甲斐なさに「勝つ気あるのか、と思った」

古巣鹿島戦で反撃の狼煙を上げるゴールを決めた浦和の興梠慎三。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

アウェーのセカンドレグは2点差以上で”逆転”。鹿島相手に難解だが、不可能ではない状況に持ち込む。

[ルヴァン杯 準々決勝 1st] 浦和 2-3 鹿島/2019年9月4日/埼玉スタジアム2〇〇2

 浦和レッズの興梠慎三がルヴァンカップ準々決勝の鹿島アントラーズとの第1戦(ファーストレグ)、後半開始早々52分に宇賀神友弥と代わって途中出場すると、その6分後に反撃の狼煙(のろし)を上げるゴールを決めた。さらに直後にはCKから槙野智章が決めて1点差に詰め寄ったものの、チームは2-3で敗れた。ただ3点差から1点差に縮めたことで、第2戦での逆転へ間違いなく望みをつないだ。

 1点を奪われると、たちまち瓦解して3失点……。ベンチで前半の戦況を見守っていた興梠は、浦和の選手たちの覇気のなさが気になっていた。

「どっちのホームゲームなのか分からないぐらいな感じでした。本当に勝つ気あるのかな、ぐらいに思ってベンチから見ていました。ただ、2点を取れて、次にはつなげられたのかなと感じています」

 58分、マウリシオの縦パスに抜け出した武藤雄樹が右足を振り抜いてシュートを放つ。クォン・スンテに弾かれたものの、ゴール前へボールはこぼれる。これを無人のゴールに興梠が押し込んだ。鹿島を動揺させ、ホームの声援を受けた浦和が息を吹き返した得点になった。

「前から守備をしっかり行けず、(1トップ起用された)ファブリシオから相手のセンターバックをどちらかのサイドに切りながらできれば、後ろの選手も上手く守備でハメられたと思います。あとは球際。全部負けていました」

 興梠がいるかいないかでチームのパフォーマンスが大きく変わってしまう。そんな状況を如実に示す90分間となった。

 エース投入から巻き返せた、底力を示せたのはプラス材料だ。しかし疲労の蓄積するストライカーを思った以上に早くピッチに引き出された、とも言える展開になった。

「こぼれ球だったけれども、あの1点で勢いを付けられたと思います。できれば3点目もほしかったですが、次の試合へ何とかつなげることができました」

 アウェーでのセカンドレグは、2点差以上の勝利、あるいは4ゴール以上の1点差勝利で”逆転”。また、3-2であれば延長戦に突入する。

 興梠が改めて見せた古巣への意地により、ベスト4進出へ望みをつないだ。難解ではあるが不可能ではないところまで持ち込めた。セカンドレグは9月8日、アウェーのカシマサッカースタジアムに乗り込む。

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[取材・文:塚越 始]

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