【日本代表】堂安律と久保建英が語った右MF「ポジション争い」の行方――
久保建英(左)と堂安律(右)。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
所属先で控えに甘んじる中島、ボランチ起用続く原口。柔軟性ある久保の「左MF」起用も一案か?
[キリンチャレンジカップ] 日本 2-0 パラグアイ/2019年9月5日/カシマサッカースタジアム
堂安律と久保建英――。日本代表対パラグアイ代表戦、日本の4-2-3-1の右MFで前半、後半それぞれ45分間ずつプレーした二人が、試合後、「ポジション争い」について語った。
ほぼベスト布陣と言える同士で臨んだ前半、堂安は幾度となく相手を翻弄するようなプレーを披露。しかし、GKと1対1の場面でシュートを外すなど、この日はノーゴール。アジアカップのベトナム戦(〇1-0)以来、ゴールを奪えずにいる。
一方、後半からピッチに立った久保は、明らかに相手も意識して厳しいマークをしてきたが、その裏をかくような軽快なプレーを連発した。55分、相手からボールを奪い、3人に囲まれながらもかいくぐって打開したシーンは、体幹の強さ(しなやかさも)をも示した。ただ、久保も5本シュートを放ったが、日本代表初ゴールはお預けとなった。
堂安は「ある程度相手がディフェンスをオーガナイズしてきたなか、縦パスからの崩しのレベルも高かった。次の試合の参考になると思います。(久保について)皆さん好きですね(笑い)。一緒にプレーできればイメージできると思うので、いいプレーを見せていて、本当に上手かったなと感じました」と語った。
ここ数週間、フローニンゲンFCからPSVへの移籍もあり、堂安は公式戦のピッチに立てずにいた。それだけに、基本的には、10日のミャンマー戦に向けて、コンディションを改めて”上げる”ことに意識を置いたという。
「個人的にはこの2、3週間プレーできていなかったので、試合のコンディションを取り戻すことができました。次の試合しっかりできるように、ゴールできなかったところを反省して臨みたいです。(世代交代と言われるが)年齢は関係ない。ただ、(チームが)若くなっているのは目に見えて分かるところ。それでも、俺がやってやる、という気持ちのところは誰もが変わらないと思います」
一方、久保はあくまで現状はサブの立場であり”学ぶ”姿勢を強調した。
「(前半は堂安が右MFでプレーしたが?)堂安選手の動きを見ながら、プレスの部分などいろいろなことを学べました。例えばトップ下で出ることがあれば、南野選手のサポートの動きなど、そこから学べますし、そこから自分も挑戦していけると思います」
レフティ同士による日本代表での「右MF」のポジション争い。堂安はオランダの名門PSVで、そして久保はレアル・マドリードからレンタル移籍したRCDマジョルカで、それぞれの所属先でのパフォーマンスが、今後は直結してくるだろう。
また「左MF」はこの日、中島翔哉、原口元気が好パフォーマンスを見せた。ただ中島は所属先のポルトではポジションを奪えず、原口もボランチで起用されながらチームは結果を残せず、いずれも苦戦を強いられている。これまで久保は、トップ下、右MFで起用されてきた。彼の柔軟性と突き抜けたテクニックを生かすのであれば、「左MF」を選択肢(オプション)に入れてみるのも、一案かもしれない。
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[文:サカノワ編集グループ]