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レアルのジダン監督が久保に続き抱える苦悩。「日曜はTVで試合を観ていた」18歳ロドリゴをどうする?

レアル・マドリードのジネディーヌ・ジダン監督。(C)Audi Cup 2019

スペイン紙が「無駄なプランニングとも言われてしまう」と指摘。

 スペインのスポーツ紙『アス』は9月22日、「ロドリゴがレアル・マドリードとカスティージャで”行方不明”に」と題した記事を掲載した。久保建英とともにプレシーズンで注目を集めた18歳のブラジルの神童は、レアル・マドリードのBチームにあたるカスティージャ(実質3部リーグ)に登録しながら、トップチームにも参戦。その両輪での育成・強化プランを発動しているが、結局、実戦(公式戦)にほとんど出られずにいるというジレンマにかられている。

 記事では、最近のロドリゴの置かれた状況を伝える。

 スペインリーグのレバンテUD戦(ホーム/〇3-2)、UEFA欧州チャンピオンズリーグ(CL)のパリ・サンジェルマン戦(アウェー/●0-3)と続いた連戦で、ロドリゴはいずれもトップチームに帯同した。しかし結局、出場機会はおろか、ベンチ入りもならなかった。

 さらに9月22日のセビージャFC戦(アウェー/〇1-0)のメンバーに入る可能性もあったため、同じ週末に組まれたカスティージャのUDラス・パルマス戦(アウェー/〇0-0)の遠征には参加しなかった。ところが、結局、レアルのジネディーヌ・ジダン監督はロドリゴを、セビージャ戦の帯同メンバーに選ばなかったのだ。

 そのため記事では、「日曜日の試合はテレビ観戦になった」という。そこで「人によっては、それは無駄なプランニングだと言われるだろう」と指摘している。

 ブラジルのサントスFCから破格の4000万ユーロ(約48億円)の移籍金で今季加入した18歳のアタッカーは、久保とともにプレシーズンのアメリカ、ドイツのツアーに帯同。バイエルン・ミュンヘン戦で直接フリーキックを決めて、そのポテンシャルと能力の高さを見せ付けた。

 トップチームの練習に参加しながら、カスティージャの試合に臨み”いいとこどり”で強化していくという計画だった。しかし、今季これまでの公式戦の出場は、カスティージャでの1試合のみとなっている。そして、今回のように何もしない週末も発生してしまったのだ。

 一方、レアル・マドリードからRCDマジョルカへの期限付き移籍を選択した日本代表の久保は、すでにトップリーグで3試合に出場している。そこで記事では、「来年1月の冬の移籍市場が開くのはまだ先のことではあるが、その早い段階で自身の去就(残留するのか、移籍を検討するのか)を決めることになるだろう」と予測している。

 もちろんトップチームにはポジション争いがある。クラブとしては、ブラヒム・ディアスと競わせたいと考えているという。そうした置かれた立場を、ロドリゴ自身がどう受け止めるのか?

 同じ18歳の久保とロドリゴ。いずれも期待されるレアル・マドリードの新星は、実質1年目にさっそくそれぞれの選択をして(ロドリゴは負傷をおったことも影響したが)、それぞれの壁を越えようと挑んでいる。

 ジダン監督も、勝利を追求するなかで若手の育成をどのように同時進行させるべきか、苦心していることがうかがえる。そのあたりのクラブと指揮官の方針が明確にならなければ、来季の久保復帰のプランにもかかわってきそうだが――。

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[文:サカノワ編集グループ]

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