『カテナチオ』カンナバーロ監督、守備固めすぎた?「高さを警戒した」│ACL浦和2-0広州
試合前に握手をかわす広州恒大のカンナバーロ監督(左)と浦和の大槻毅監督(右)。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
従来の4バックではなく5バック気味の3バックを採用してシュート3本…完敗を喫す。
[ACL準決勝 1st ] 浦和 2-0 広州恒大/2019年10月2日19:30/埼玉スタジアム2〇〇2
アジアチャンピオンズリーグ( ACL )準決勝・第1戦(ファーストレグ)、浦和レッズが2-0で広州恒大に先勝した。第2戦は10月23日の水曜日、広州で行われる。
広州恒大を率いるのはイタリア代表として2006年のドイツ・ワールドカップ(W杯)制覇を果たすなど、”世界一”のカテナチオを築いたファビオ・カンナバーロ監督だ。
準々決勝で鹿島アントラーズを打ち破り(2試合トータルスコアは1-1、アウェーゴールで上回る)、その勢いをこの浦和との準決勝にも持ち込みたかったところ。
ただ、普段の広州恒大は4バックを採用しているのだが、今回の先発はDF5人登録。本来センターバックである5番のジャン・リンポンを左ウイングバックに起用し、状況に応じてセンターバックのパク・チスもサイドの守備に加わるなど、とにかく『守備重視』だった。
その布陣を採用した理由について、カンナバーロ監督は試合後の記者会見で次のように語った。
「シンプルに戦術の問題で、27番の選手(橋岡大樹)は高さがあり空中戦に強いので、そこを意識して本来センターバックのジャン・リンポン(5番)をワイドに起用しました。41番の選手(関根貴大)もスピードがあったので、そういった配置を選択しました」
浦和の両ウイングバックを警戒しての布陣。しかし、結果的に全体の重心が後ろに置かれ、なかなか推進力をつけられなかった。シュート数は浦和の12本に対し広州恒大が3本と、攻撃が機能したとは言えなかった。
また、最近6試合勝てずにいることも、そうした”守りの意識”に影響していたようだ。
イタリア代表136試合出場を誇る46歳のイタリア人指揮官は、続けて言った。
「14連戦が続いていて、そのなかで連勝はどこかで止まるもの。それが今来てしまったのかなと思っています。しかし、チャンスはあります。ここでしっかり立て直して、体力的にも、メンタル的にも回復させなければいけません。ゴールにはなりませんでしたが、チャンスもできていました。オフサイドを取られたシーンも、VARがないのでなんとも言えませんが……。次の試合に向けて、しっかり準備したいです」
そして、指揮官はここから選手たちも調子を上げてくるはずだと期待を寄せていた。
「最近6試合勝てていません。ただサッカーはチームスポーツです。個人を責めようと思えば簡単にできますが、そういった競技ではありません。タリスカ、エウケソン選手は戦列に戻ってきたばかりで、まだチームにフィットしていない面はありました。そのなかでも他にヨーロッパでも活躍できるような選手が揃っています。ここから次の試合に向けて修正したいと思います」
浦和対広州恒大のACL準決勝第2戦は10月23日、現地時間20時(日本時間21時)から広州天河体育中心で行われる。
[文:サカノワ編集グループ]