【湘南】パワハラ再発防止でGM、メンタリスト、外部相談窓口を設置へ
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スタッフ・選手を含めたコンプライアンスの勉強会の場も設けることに。
湘南ベルマーレは10月9日、退団の決まった曺貴裁前監督の一連のパワーハラスメント(パワハラ)を受けて、パワハラ問題の再発防止を目的として行った、「湘南ベルマーレコンプライアンス調査委員会」の調査結果と再発防止策について、4日に行った記者会見で説明した内容をクラブ公式ホームページで公表した。パワハラ再発防止策として、ゼネラルマネジャー(GM)、メンタリスト、外部相談窓口の設置などを掲げている。
内容は以下の通り。
【調査結果の概要】
1.湘南ベルマーレコンプライアンス調査委員会
委員長 水地啓子(弁護士・森法律事務所)
委員 南部恵一(弁護士・あさひ法律事務所)
委員 畑井研吾(同上)
委員 宮地祐樹(同上)
※ あさひ法律事務所を委員会窓口とする。
※ ヒアリング等の補助のため、弁護士6名を補助者として起用した。
2.調査対象
(1)2016年1月から2019年7月までの期間における曺貴裁監督によるパワーハラスメントが疑われる事象
(2)上記に関する限度で、クラブの管理体制の問題の有無及び再発防止策の検討
(3)本調査は、関係者の法的責任や処分の判断をすることを目的としない
※ 曺監督の処遇についてコンプライアンス委員会は一切関知していない。
3.認定した事実(関係者のプライバシーに配慮し要旨のみ記載)
曺監督により、選手・スタッフに対し、暴言、長時間にわたる一方的な叱責、それらの際に物を叩いたり蹴ったりするなどの不適切な指導が日常的に行われており、それによって選手・スタッフに決して軽微ではない心身の不調が生じ、練習に参加できなくなったような事例も複数存在した。
それらの事例における曺監督の言動は、パワーハラスメントに該当すると言わざるを得ない。
また、曺監督が、選手の怪我やそこからの復帰に関し、選手やメディカルスタッフに不適切な内容・方法で指示を行い、怪我の悪化等につながったと認められる事例も複数存在した。
そのような指示は、典型的なパワーハラスメントではないとしても、チーム内における優越性を背景とした不適切な指導として、パワーハラスメントと同様の評価を受けるべきである。
なお、以上の判断は、公益財団法人日本サッカー協会の懲罰規程、独立行政法人日本スポーツ振興センターの第三者相談・調査相談委員会のパンフレット「スポーツからハラスメントを無くそう!」などを参考としつつ、プロサッカーチーム及びプロサッカー選手という特性を踏まえて行ったものである。
4.提言した再発防止策の骨子
(1)監督のみならず、クラブ全員に対するハラスメントに関する教育の徹底
(2)監督に対する指導・監督体制(強化部など)の強化
(3)チーム内のスタッフの役割の明確化とその尊重
(4)ハラスメント相談・通報窓口の整備
【再発防止策】
(1)強化体制の強化
トップチームの強化体制を代表取締役社長の指揮下とし管理する。また、新たにGM(ゼネラルマネジャー)職を設置する。
GMの下にスポーツダイレクターが管理する現場とメディカルチームの二本柱とする。
(2)相談窓口の設置
選手、スタッフ、メディカルスタッフから直接コンタクトができ、本人の守秘義務が守られる外部の相談窓口を設置する。あわせて、メンタリストを設置する。
(3)コンプライアンス研修の実施
経営執行者、監督、コーチ、スタッフ、選手、フロントスタッフも含めた全員がコンプライアンスについて勉強する場を作る。
(4)湘南ベルマーレの基準づくり
社会のコンプライアンスを遵守し、選手協会とクラブが協議、協力して、湘南ベルマーレの基準を作っていく。
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[文:サカノワ編集グループ]