【ルヴァン杯】谷口のドグソ巡るVARの肉声公開「退場にします」「OK、5番ですね」
川崎の谷口彰悟(左)と小林悠。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
なぜ、イエローカードからレッドカードに切り替わったのか?
[ルヴァン杯 決勝] 札幌 3(4PK5)3 川崎/2019年10月26日/埼玉スタジアム2〇〇2
ルヴァンカップ決勝の北海道コンサドーレ札幌対川崎フロンターレ戦、川崎のDF谷口彰悟が延長前半の96分に一度イエローカードを提示されたものの、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の介入によってレッドカードに変更され、一発退場処分となった。『You Tube』の「Jリーグ公式チャンネル」で、この試合のVARが介入したさまざまな判定をチェック。そのなかで、この谷口の判定を巡る荒木友輔主審とVARとのやり取りが公開された。
このやりとりで明らかになったのが、荒木主審が当初、チャナティップの突破に、谷口のほうがゴールの近くで対応していた、と感じたということだった。ただ、実際は谷口が後方から追いかける形になっていた。
荒木主審とVAR、またビデオオペレーションルームでのやりとりは次の通り。
AVAR 「カードはイエロー。外、5番(谷口)。(ルーム内で)DOGSOを見て(確認)」
VAR「ディレイ、ディレイ、ディレイ(プレーを遅らせて確認)」
荒木主審「DOGSOはないと思っています。(チャナティップが)抜け出していませんから」
AVAR「荒木主審、抜け出していないということは、(谷口の)カバーリングが間に合うということ?」
荒木主審「谷口のほうがゴールに近い」
AVAR「他のDF(外側にいる山村和也ら)は関係なく、ということですね。谷口がゴールに近い、と」
荒木主審「そうです、そうです」
VAR「(オペレーションルーム内でAVARとやりとり)カバーリングは、間に合わないよね? DFがいなければ抜けているはずでは。よし、オンフィールドを提案しよう」
VAR「VAR to Referee.(英語で)オンフィールドレビュー(OFR)を勧めます」
荒木主審「OK」
VAR「Possible DOGSO(ドグソの可能性あり)」
――荒木主審がオンフィルドレビューを実施――
荒木主審「退場にします。退場にします」
VAR「荒木主審、5番、DOGSOで退場ですね」
荒木主審「そうです」
VAR「OK。TVシグナル(モニターで確認したというジェスチャー)は忘れずに」
――荒木主審がTVシグナルをしたあと、谷口にレッドカードを提示――
そのようなやりとりから、荒木主審が判定を変更した。
では改めて「決定機阻止=DOGSO[ドグソ](Denying Obviously Goal Scoring Opportunityの頭文字) 」の条件を確認しておこう。
「DOGSO」が成立するのは、下記4つの条件がすべて揃った時だ。
攻撃側の選手が――
1)ボールをコントロールできているか
2)ゴールに向かっているか(プレーの方向)
3)ゴールとの距離
4)守備側の選手の位置と人数(GKまで妨げる選手がいないか)
ファウルが悪質かどうかの程度ではなく、その条件が揃うかどうかで、DOGSOでレッドカードになる。当初、荒木主審は(4)について、谷口がコースに入っていたと感じたということだったが、OFRにより(4)の条件も満たしていると確認した。
とはいえ、そこまで悪質なファウルではないのではないか? また、その4条件も完璧に揃っていたわけではないのではないか? Jリーグの原博実副理事長はそのように指摘をした。
その点について、日本サッカー協会(JFA)の審判委員会トップレフェリーグループマネージャーの扇谷健司氏は、次のように解説した。
「であれば、ソフトタッチのファウルをする選手が出てきてしまいます。4条件が揃えばDOGSOでレッドカードになる、と。そこを軽くする、目隠しすることはやってはいけないことで、アンフェアになってしまいます。もちろん、今回勝敗を左右するような重大な決断を下したと思いました。ただ、その決断を下した審判団を評価したいと思います」
来季のJ1では全試合でVARが導入され、おそらくこうしたケースは増えるだろう。それだけに観る側も、DOGSOの4条件について、頭の片隅には入れておきたいところだ。
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[文:サカノワ編集グループ]
Topics:J.LEAGUE YBC Levain CUP FINAL;Hokkaido Consadole Sapporo 3(4PK5)3 Kawasaki Frontale