【札幌】ミシャとベンゲルで『監督選手権』を考案?

札幌のペトロヴィッチ監督。写真:徳原隆元/(C)Takaoto TOKUHARA ※JリーグG大阪戦より

同じ戦力で戦えば、誰が最も優秀な監督か分かる。

[J1 31節]横浜FM 2-4 札幌/2019年11月9日/ニッパツ三ツ沢球技場

 北海道コンサドーレ札幌は横浜F・マリノスに2-4で敗れ、今季の6位以下が確定し、昨季一歩足りなかったACL出場圏内にも及ばないことが決まった。

 札幌のミハイロ・ペトロヴィッチ監督(愛称、ミシャ)は試合後の記者会見で、次のように6ゴールが飛び交った一戦を振り返った。

「(開始早々に)2点を決められてしまえば、盛り返すのは難しくなります。そこから選手たちも『ミスをしたくない』という恐怖心からパスが消極的になってしまった。ハーフタイムを挟み、後方から勇気を持ってしっかりつなぐように伝え、後半はチャンスも作ることができました」

「背後を狙う形を作れて、1-3になったあと、ゴールを決められるチャンスがありました。しかし逆にPKから4点目を決められてしまいました。選手たちは最後まで諦めない姿勢を見せてくれました。ただマリノスは組織化され、前線4枚の個のレベルが高く、止めるのが難しかった。後半は互角以上の戦いをできたと思いますが、マリノスが勝利にふさわしい試合をしていたと言えるかもしれません

 そのようにトータルで見れば、ホームチームの勝利が妥当だったと認めた。

 そしてリーグ戦は昨季の成績を下回ることが決定したことについて聞かれると(「さらに強くなるには何が必要か」という質問)、ミシャの熱弁が始まった。

「昨年は躍進を遂げ、リーグ4位という成績を収めたことに誰もが驚きました。今年はルヴァンカップでも勝ち上がろうと平行して戦い決勝に進めましたが、リーグ戦ではポイントを取れず、少ないメンバーでやりくりすることの難しさを感じました」

「強豪と言われるようなクラブの資金力はありません。それでも2年前までは主力選手の平均年齢が30歳代でしたが、この2年で20台半ば、今日は24.7歳ぐらいでしたが、若返りながら選手を見極めてきました。チームは良くなっています。ここまでのチーム作りは成功していると思います」

 そして、ヴィッセル神戸、名古屋グランパス、浦和レッズ……資金力のあるクラブが結果を残していないのに、日本のメディアはそこを批判しようとしないと疑問を投げかけた。

「札幌の年間予算より一人の年俸だけで上回る選手を連れてくる、そういうチームが私たちより下にいます。ヨーロッパであれば、そういったチームは叩かれますが、日本でそうならず珍しいことだと感じています」

 そしてペトロヴィッチ監督がオーストリアの名門シュトルーム・グラーツを率いていた時、アーセナルFCを率いていたアーセン・ベンゲル氏といろいろ話をする機会があったという。その時に及んだ、ある話題についても語った。

「ベンゲルはアーセナルで12年ほどタイトルを取れずにいましたが、常にとても有望な若手を輩出していました。そのベンゲルと話した時、『みんな同じ戦力でコンペティションをやったら面白い。そしたら誰が一番優秀な指導者だか分かる』という話をしたことがありました。みんなが札幌と同じぐらいの戦力で大会をしたら面白いのではないでしょうか」

『監督選手権』と言えるだろうか。もちろん実現することはないだろうが、もしも、そのような大会があったら、とても面白そうだ。

 そしてミシャは笑って言った。

「もちろん、そういう差があるからこそサッカーは面白いとも言えます。ただ私たちは、来シーズンも若い選手を使います。そのうえで、今日であれば、4年取られても、5点を取る。そういうチームを目指します」

 62歳になったペトロヴィッチ監督の熱情は相変わらずだった。

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[取材・文:塚越 始]

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