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【仙台】渡邉晋監督の退任が正式決定。ホーム最終戦後に語った気になるラストメッセージ

渡邉晋監督。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

「次の25周年、また行ったり来たりを繰り返してしまうのでは…」

 ベガルタ仙台は12月9日、渡邉晋(わたなべ・すすむ)監督と2020シーズンに向けて協議を重ねてきたものの、今シーズンをもって退任することが決定したと発表した。新シーズンの新監督は未定。

 渡邉監督は1973年10月10日生まれ、東京都出身。2014シーズン途中からチームを率いて、同年は14位(9勝9分10敗)で残留。 その後は昨季天皇杯で準優勝に導き、今季を含め二度の11位などJ1残留を続けた。

 渡邉監督はクラブを通じて、「選手として加入してから19年、私にたくさんのチャンスと何にも代え難い貴重な経験を与えてくれたクラブに心から感謝しております。本当にありがとうございました。 そしてベガルタサポーターの皆さん。多くの声援と笑顔、そして涙。それら全ては私の心の中で生き続けます。 本当に、本当にありがとうございました。ベガルタ仙台の今後の発展を心から願っています」とコメントしている。

 また、指揮官はホーム最終戦となった11月30日の33節・大分トリニータ戦(〇2-0)の試合後、神妙な面持ちで次のようにフラッシュインタビューで語っていた。

「勝負に徹して、勝点3を取れましたけれど……なんとも言えないです。これまで積み上げてきたものがあったはずですけれど、今年の途中から明らかに戦い方を変えて、目の前の勝点だけに執着してきました。

 それに対して選手たちはものすごく一生懸命に頑張って取り組み、今日のように勝点3も取れて、タフにハードに戦ってくれて、それは素晴らしいこと、ですけれど……。ただ、僕の中では、時計の針が戻ったような気がして。難しい感情です」

 さらに渡邉監督は勝利したものの、危機感を訴えた。

「もちろん勝利はいろんな人を笑顔にするし、勇気や希望を届けられるし、素晴らしいことなんですけれど、どうやって勝つかということにこだわって、これからベガルタ仙台が進んで行かないと、次の25周年、また同じように、行ったり来たりすることになってしまう気がして……。そんな感じがしています」

 クラブの未来をそのように案じていた。渡邉監督のそのラストメッセージを、クラブはどのように受け止めるのか。そして次なる監督が誰にになるのかも注目を集める。

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[文:サカノワ編集グループ]

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