観客数水増し問題で奈良クラブの社長辞任、矢部氏も取締役からスタッフへ
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来年2月、浜田満氏が新社長に就任。
観客数水増し問題が発覚したJFL(日本フットボールリーグ)の奈良クラブを運営する株式会社奈良クラブは12月26日、中川政七社長が来年1月31日付で辞任すると発表した。また、代表取締役の矢部次郎氏も辞任し、いちスタッフとして奈良クラブの立て直しに努めることになった。新社長には浜田満氏を迎え、2020年2月1日から新体制で運営する。
新シーズンの体制については、2月上旬に正式発表を予定している。
中川政七社長のコメント
このたびは入場者数の水増し問題につきまして、皆さまに多大なるご迷惑とご心配をおかけしておりますことを改めて心よりお詫び申し上げます。
水増しに関する全責任は、代表である私にございます。よって辞任をもって責任を取る決断をいたしました。この度は本当に申し訳ありませんでした。
辞任につきまして、すぐにでも、とも考えましたが、奈良クラブの存続を第一と考え、まず何よりファン・サポーターの皆様、パートナー企業の皆様、ボランティアの皆様、多くの関係者の皆様のもとへ直接お伺いし、謝罪をさせていただくことを最優先としてまいりました。
一連のご説明と謝罪をお伝えしたのち、辞任に関しての準備と、後任の代表者についての調整などを進めてまいりました。
この度、JFLからの処分の通達と辞任後の体制が決まりましたため、今期をもって辞任することといたしました。
厳しい状況の中、引き受けてくださった浜田様に深謝申し上げます。
最後になりましたが、奈良クラブに関わり、支えてくださったすべての皆様にお詫びと感謝を申し上げます。わずか1年、志半ばでクラブを離れることになってしまいましたこと、大変申し訳ございません。
皆様と歩んだ時間はかけがえのないものでした。本当にありがとうございました。
今後とも、奈良クラブにより一層のご支援とご声援をよろしくお願いいたします」
浜田満新社長のコメント
2020年2月1日より、奈良クラブ代表取締役社長に就任します浜田満と申します。
クラブの難局に舵取り役を任されたことを大変重く受け止めています。 私は、小中高と、ずっと奈良でサッカーをしていたこともあり、自分が生まれ育った奈良という街からJリーグチームが生まれることを願っていました。
そういった気持ちから、矢部氏とは発足前から定期的に情報交換をさせていただいておりましたし、2011年より少額ながら、スポンサーとして奈良クラブをサポートしてきました。
また、前社長の中川氏とも以前より面識があり、同氏が掲げたビジョンには非常に共感し、応援させていただいておりました。
前述のように、私は10年もの間、奈良クラブを外から見てきましたが、今回のホームゲーム入場者数カウントの水増しについては、前経営陣には事の重大さを深く認識し、反省をしていただきたいと考えています。
一方で、中川氏、矢部氏をはじめとする奈良クラブに関わる人たちは、あらゆる犠牲を払い、奈良を盛り上げたいと活動してきた有志ですし、私にとっては、同じ夢を見る同志だと考えています。
今後は彼らの夢も引き継いでいければと思います。 新シーズンからは、あらゆることが逆風からのスタートとなるでしょうし、信頼回復まで、長い、長い時間がかかるとは思いますが、ここから信頼を一つ一つ積み上げていくことで、いつの日か、「あんなこともあったけど、奈良クラブ、いいチームになったな、応援するで」と言ってもらえる日がやってくるように精進して参りたいと思います。
そして、今はまだ奈良クラブの名前すら聞いたことがない、というような県民の皆様からも、「奈良クラブがんばってんなー」と、一人でも多くの方に言ってもらえる日がくるように急がず、誠実に、サポーター、行政、スポンサーの皆様をはじめ、奈良に関わるあらゆる人と丁寧に向き合っていければと思います。
何卒よろしくお願い申し上げます。
浜田氏のプロフィールは、次の通り。はまだ・みつる。1975年奈良市生まれ。株式会社Amazing Sports Lab Japan代表取締役。 右京小学校、平城西中学校、一条高校を経て、関西外国語大学スペイン語学科卒業。自身も高校時代までサッカーに打ち込む。関西外国語大学卒業後、食品メーカー、商社、在ベネズエラ日本大使館勤務等、3回の転職を経て、欧州サッカークラブのマーチャンダイジングライセンスビジネスに携わる。
会社の民事再生を機に2004年6月、FCバルセロナソシオの日本公式代理店として独立。矢部とは旧知の仲であり、奈良クラブを創設当時より支援。
英語、スペイン語、イタリア語の三か国語を操り、FCバルセロナ、ACミラン、アーセナル、ユベントスなどの欧州ビッグクラブのライセンスビジネスやマーケティングに携わる。現在は、バルサアカデミーキャンプ、バルサアカデミー、U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジを主催するほか、ジュニアユース選手向け寮制アカデミーを運営。
また、2009年以降、育成年代のトップ選手のサポート業務をはじめ、サッカーサービス社と日本におけるエコノメソッド導入に尽力。著書に『サッカービジネスほど素敵な仕事はない』(出版芸術社)、『世界で通じる子供の育て方 サッカー選手を目指す子供の親に贈る40のアドバイス(徳間書店)』、「ゼロに飛びこんでイチを作る FCバルセロナとのビジネスから学んだ未来の開き方」、訳書に『FCバルセロナの人材獲得術と育成メソッドのすべて』 。
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[文:サカノワ編集グループ]