【千葉】ユン・ジョンファン監督の「スマホ制限」真の狙いとは?
千葉のユン・ジョンファン新監督。写真:石田達也/(C)Tatsuya ISHIDA
勝利を目指すプロの集団として結束するために。
ジェフユナイテッド市原・千葉はユン・ジョンファン新監督のもと、猛練習の日々でみっちりと鍛錬している。5日に始動すると翌6日から12日まで、朝6時の早朝練習を含む3部練習がみっちり組まれた。さらに13日にスタートした沖縄キャンプも当面3部練習が継続される。発表されたスケジュールでは17日から2部練になっているが果たして――。
これまでも指揮を執ってきたサガン鳥栖やセレッソ大阪でも厳しいトレーニングを課してきた。その「意図」についてユン・ジョンファン監督は新体制発表記者会見の席で、次のように語っていた。
「私が鳥栖で現役だった時、選手の生活態度などを見てビックリしたことが多くありました。夜遅くまでマンガを読むとか、そういった生活リズムを見た時に“プロらしさ”を感じることができませんでした。自己管理がしっかりできていない、そう思う部分がたくさんありましたし、それはコーチ時代も同じです。C大阪の時も、その部分での意識の低さを感じたことはありました」
なぜ生活リズム自体を変えるのか。ユン・ジョンファン監督はその理由を説明する。
「まず『生活のリズムを変えたい』。プロサッカー選手であれば、自分の生活リズムを持たなければいけません。1週間、2週間やったからといって変わるわけではありません。やることによって意識は変わってきます。練習に対し、サッカーのことだけを考えるという目的を持つため、こうしたメニューを組むようになりました」
ゲームやスマホ。それが現代社会で、選手たちの生活面で欠かせないことは十分理解している。しかし、それがチームの勝利につながらないようであれば本末転倒であり、節制すべきだと強調する。
「選手に話を聞けば、夜遅くまでスマートフォンでゲームをすると聞きました。それは今の時代、どうしようもないことだと思いますが、それを節制する意味を教えないと、できません。私は今、ずっとそれを選手に話しています。我々の目標が何なのか。毎日話しています。
選手たちの意識は必ず変わります。人は意識が変わることによって、すべてが変わると思っています」
指揮官はそのようにピッチ外の生活面でも、勝利のための姿勢を重視する。 ただし、それは決して押しつけるのではなく、選手とコミュケーションを図りながら「理由」を伝えていくという。
鳥栖ではJ1初昇格、C大阪ではルヴァンカップと天皇杯の2冠達成。そして2020年、J2に降格して10年が経った千葉で指揮を執ることになった。
千葉は本当の意味で脱皮できるのか――。 着実に進むユン・ジョンファン改革は果たして結実するのか注目だ。
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[取材・文:石田達也]
text by Tatsuya ISHIDA