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本田圭佑に「東京都リーグの恐ろしさを教える」が話題に。自販機なし、トイレなし、不戦勝あり…

本田圭佑。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

新社会人チーム『One TOKYO』を発足。SNSで報告されるさまざまな現実、前途は多難? 

 元日本代表MF本田圭佑が1月14日、SNSのツイッター(アカウントは @kskgroup2017)で、東京都内に新社会人チーム『One TOKYO』を発足させると発表した。

 本田は次のように報告した。

「2020年、本田圭佑、サッカークラブをみんなと一緒に創り上げるためゼロから立ち上げます。

クラブ名『One Tokyo』

 運営は2週間前にtwitterで出会った大学生の奥山くん。

 選手もゼロからなので1/24にトライアウトをします。

 勝利にこだわる選手に集まって欲しいです。#onetokyo」

 さらに二通の投稿を続ける。

「僕は『関わる人全員の貢献を可視化したい』って思ってるんですが、みなさんはどんなクラブにしたいですか? 」

「本田圭佑が嫌いでもいい

 サッカーが好きじゃなくてもいい

 0 to 1が好きな人

 深い繋がりを求めてる人

 応援できる何かを探してた人

 世界へインパクトを与えたい人

 1度でいいから仲間になってみて欲しい」

 そのようにさまざまな特徴を持った人たちとのつながりで「チーム」を作りたいと呼びかけている。

 そうしたなか、ツイッターのなかでできたハッシュタグ「#本田圭佑に都リーグの恐ろしさを教える」が話題を集めている。

 東京都リーグの公式サイトによると、現在4部リーグ+エントリーリーグまで約300チームで構成されている。「One Tokyo」はゼロからのスタートということで、4部(各地域11チームで構成)からのスタートになる(昇降格にかかわらず臨みたい場合はエントリーリーグがある)。1部昇格までの道のりも険しく、さらにその1部で上位に入る難易度もまた高い。

 しかも、その先にさらに関東リーグ(1部・2部)、JFL、そしてJ3とあり、それぞれに突破しなければいけない「条件」もかかわってくる。

 東京都リーグからJリーグへの道は果てしなく遠い。

 しかも、この「#本田圭佑に都リーグの恐ろしさを教える」には、都リーグの過酷な状況が報告されている。

「自販機があればラッキー」「着替えはトイレ」「トイレがない場合も」「ベンチもないので、雨が降ると最悪」「(人数が足りない、ユニフォームが揃わない、書類不備……)試合不成立による不戦勝は少なくない」「最初から『9人制』で臨んでくるチームも」(※7人以上でなければ試合が成立しない)……。なかには都リーグのみならず各地域リーグにも共通する悩ましい問題点も数多く綴られていて興味深い。

 しかも東京都リーグではあるものの、グラウンドが確保できないため、首都圏近郊で試合が開催されることが多い。しかも早朝キックオフは当たり前。そこに普段仕事をしているアマチュアの選手が集結しないといけない。その最初の段階から、大きなハードルが待ち構えている。

 さらには、社会人チームが増えることで、”マイノリティ”である女子や少年の練習機会を奪いかねないと指摘する声も挙がっている。

 本田の新チーム発足が、東京のグラウンドやサッカーをする環境の不足、さらにはサッカーをしたくてもできない人が都内には数多くいる現実を、さっそく浮彫にすることにもなった。 

 つまりJリーグを本気で目指すのであれば、熱量を最低10年ほどは持続することも求められる。果たして、まずどのような展開が待っているのか――。

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[文:サカノワ編集グループ]

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