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【鹿島】ザーゴ監督の掲げる「理想」。ACLプレーオフは「現実」を優先

決意を示した鹿島のザーゴ監督。(C)SAKANOWA

目指すのは積極的に主導権を握って勝利するスタイル。ただしメルボルン・ビクトリー戦は――。

[ACL PO] 鹿島 – メルボルン・ビクトリー/2020年1月28日/カシマサッカースタジアム

 J1リーグの鹿島アントラーズが1月28日、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)のプレーオフ、オーストラリア1部のメルボルン・ビクトリーと対戦する。今季就任したザーゴ監督にとっての初陣となる。

 1月23日の新体制発表会で、ザーゴ監督は鹿島で実現させたい理想のスタイルについて、次のように語っていた。

「理想としては、多くのファンと同じく、つなぐサッカーであり、相手の何もさせず得点していくのが一番でしょう。シンプルではあります。しかし、それを難しくしてしまう人たちがいます。そこで効率を求めていきます。

 しっかりボールを握りながらゲームをコントロールし、自分たちが常に主導権を握って、攻撃や守備をしていくこと。その積極性を表現できればと思います。オフザボールの際にも、しっかりプレッシャーをかけてボールを奪いにいきます」

 そのように新指揮官は自身の「理想」について語っていた。ただし、このメルボルン・ビクトリー戦はあくまでも結果を優先するという。

「ブラジルで日本のクラブと言えば、迷わず鹿島アントラーズの名前が挙がるぐらい知られています。その中でまた新たな歴史を作っていきたい。クラブの伝統である最多タイトルホルダーとして、さらにタイトルを増やすことを念頭に置いてやっていきます。華麗なサッカーをピッチで実現していきたいです」

 一方、元日の天皇杯決勝を戦ったことで、チーム始動日の8日は若手や新加入、サブ組主体でスタート。そして主力選手は遅れて合流した。限られた時間のなか、このACLプレーオフを迎えることになった。

「来た喜びを噛みしめると言うより、すぐに仕事をしっかりしたいという気持ちでいました。すぐに大事なプレーオフの試合があり、これを突破できなれば一つタイトルを失ってしまいます。まず結果を残してグループステージに進みたいです」

 このメルボルン・ビクトリー戦を突破したあと、チーム作りをさらに具体的にして進められるという考えだ。

「理想のチームを作るための時間は限られています。ただ選手たちは日々意欲を見せ、伝えたもの、要求したものを、できるだけトライして吸収しようとしてくれています。チームのオーガナイズの部分は100パーセントではないですが、今できることを精一杯やり遂げて、28日のプレーオフを突破できれば、チーム作りに時間を割ける余裕が出てきます。この試合後、またこれまでと違った取り組み方をしていこうという話はしています」

 ザーゴ監督の初陣、どのような変化を見せるのか。鹿島対メルボルン・ビクトリー戦は19時にカシマサッカースタジアムでキックオフを迎える。

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[取材・文:塚越 始]

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