【鹿島】挨拶代わりの一撃、ルーキー荒木遼太郎「支えてもらいながら決められました」
鹿島の荒木遼太郎。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
1月29日に18歳の誕生日を迎えたアタッカー。感謝を忘れず謙虚に、ピッチ上ではギラついて。
[いばらきサッカーフェス] 水戸 0-1 鹿島/2020年2月1日/ケーズデンキスタジアム水戸
プレシーズンマッチ「いばらきサッカーフェスティバル」の水戸ホーリーホック対鹿島アントラーズ戦、東福岡高校から今春加入したルーキー荒木遼太郎が豪快に左足のシュートを叩き込み、これが決勝点になった。
ピッチを広く使いながら右サイドバックの内田篤人、攻撃的MFのコンビを組んだ白崎凌兵の相手を引き出すパスから、それを受けた荒木が豪胆かつアグレッシブな仕掛けからゴールに迫る。さらにボランチの永木亮太や小泉慶のフォローを受けて、より高い位置で仕事に集中。立ち上がりから何度も鹿島の「26番」が水戸陣内を崩していった。
「監督からは『内側に入って行っていいぞ』と言われていました。(内田篤人から)守備のところでずっと声をかけてくれて、(小泉)慶くん、永木くんはボールを失った瞬間に切り替えてずっとすぐにボール回収してくれていたので、本当に助かりました」
そして38分、そういったいい流れからゴールが決まる。
「シラくん(白崎)が前を向いた瞬間、僕の前にスペースがあったので走り込んだら、いいところにパスを出してくれたので、上手く決めることができました。けっこう気持ち良かったです」
白崎凌兵のパスをペナルティエリア内で受ける。するとDF陣のタイミングを外し、左足を振り抜いて強烈なショットを突き刺してみせた。
「支えてもらいながらやれていたので、本当に周りの選手のお陰だったと思います」
荒木はそのように謙虚に振り返った。全員が連動し合い支え合い、そこに荒木のギラついた意欲が結実して生まれた一撃だった。
「意外と緊張せず、最初からリラックスしてできたので、自信になりました。シーズンが始まったら、これからさらに練習でも厳しい戦いになっていくので、それを勝ち残っていきたいです」
1月29日に誕生日を迎えたアタッカーは、そのようにむしろ気を引き締めていた。
鹿島はアジアチャンピオンズリーグ(ACL)本選出場を逃したが、若手の登竜門と言えるルヴァンカップのグループステージに参戦することになり、荒木やこの日同じくピッチに立った静岡学園を今春卒業する松村優太にチャンスが訪れそうである。そのステージも生かしながら、トップチームへと食い込んでいく。そんな青写真も浮かんで見えた。荒木が水戸とのプレシーズンマッチ、そのキッカケであり挑戦権をしっかり掴み取ってみせた。
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[取材・文:塚越始]