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久保建英のマジョルカ、VARでPK取り消し。Jリーグでも起こり得るぬか喜びの一例

久保建英。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

エスパニョール相手に主審がファウルでイエローカードも提示! 先制のビッグチャンスと思われたが…。

[スペイン1部 23節] エスパニョール 1-0 マジョルカ /2020年2月9日/エスタディ・コルネリャ=エル・プラット

 スペインリーグ(ラ・リーガ)1部、RCDマジョルカがRCDエスパニョールに0-1で敗れた。この結果、マジョルカ、CDレガネス、エスパニョールの3チームが勝点18で降格圏の18位タイで並んだ。マジョルカの日本代表MF久保建英は65分から途中出場して決定的なクロスを放ったものの味方が決め切れず、またもゴールに絡めなかった。

 この試合、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)による判定が、少なからずマジョルカの選手たちを動揺させた。

 立ち上がりから攻勢に立ったのが、アウェーのマジョルカだった。1対1をパワーで上回り、加えてゴール付近でのパス交換でも相手をいなし、何度もシュートまで持ち込んでみせた。

 迎えた10分過ぎ、コーナーキックの流れから左サイドのクロスにセンターフォワードのアンテ・ブディミルが空中での競り合いの際に背中を押されたとして、主審がファウルを宣告。マジョルカにPKが与えられたのだ。さらに押したエスパニョールの選手にはイエローカードも提示された。

 しかし、得点にかかわる機会のため、VARが発動する。

 そして、このシーンを振り返っていく。するとVARはクロスを上げる際、ボールがゴールラインを割っていたという、角度によってはライン上であるようにも見える非常に微妙な判定を下す。この決定により、主審はPKも、イエローカードも取り消したのだ。

 つまり、本来、得点に関係していなければ、そのゴールラインを割ったとされるクロスは、そのまま見逃されていた。

 しかし得点機である「PK」が宣告されたことにより、一連のプレーでファウルがなかったかをVARがチェック。そこで、ボールが外に出ていた、ということを主審に伝え、PKの判定が覆ったのだ。

 主審がPKを宣告したものの、VARがそれを取り消す。もちろん、そのつもりはないのだが、言ってみれば審判団の”自作自演”。

 そんなぬか喜びとも言える”被害”は、今季から全試合でVARが採用されるJリーグでも間違いなく起こり得るケースの一つだ。

 後半途中からは久保、さらにはコロンビア代表クチョ・エルナンデスが投入された。しかし、再びゴールをこじ開けるようなビッグチャンスには至らなかった。

 3連敗のマジョルカは5勝3分15敗(22得点・39失点)の18位タイ。久保のリーグ戦の成績は20試合1得点・2アシストだ。 

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[文:サカノワ編集グループ]

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