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【愛媛】調子乗り世代のエース河原和寿が「1月28日21時」に引退を決断した理由

河原和寿(「Jの輪」より)。イラスト:茉莉香│MARIKA

クラブ公式サイトで引退記者会見の要旨公開。

 愛媛FCで2019シーズンまでプレーして現役引退を決断した河原和寿が2月10日、松山市内の愛媛新聞社のホールで記者会見を開いた。その要旨がクラブの公式サイトで紹介されている。

 そのなかで、河原は「引退するにあたり、いろいろ自分の気持ちの部分やサッカーに対する愛情の部分で整理がつかず、発表が遅くなりましてすみませんでした」と語ったうえで、引退を決断した経緯について、次のように明かしている。

 昨年10月の段階で、クラブに退団する意向を伝えたという。サッカーを続けるには、愛媛を出るべきだと判断したのだ。一方、クラブからはもしも現役続行が難しい場合、違う形で一緒に仕事をしたいという話をもらったそうだ。

「『33歳の誕生日の1月29日まで待ってほしい』と伝え、返事を待ってもらえるように承諾を得ていました。 10月に退団のリリースを出して、周りからは次の移籍先が決まっていると思われていましたが、実際のところ、まったくそのような話はありませんでした。 1月28日20時まで納得のできるオファーはなく、21時に引退を決断しました」

 33歳のバースデイ。河原は潔く第2のサッカー人生を歩むことを決断した。

 愛媛からは下部組織のコーチとしての打診を受けた。「正直なところ、10月の時点で、選手か、指導者、どちらの道に進んでも良いと思っていました。それくらい指導者にも魅力を感じていたのも事実です」と言う。

「引退を決意した時は、決して自分が思い描いていた形での引退とはなりませんでしたが、怖くはなく、むしろワクワク感が強く、すっきりした気持ちで引退を迎えられました」

 そのように、指導者への道に進むことを、ポジティブに捉えたそうだ。

 すでに愛媛U-15の14歳の指導にあたっている。もっとも多感な時期の”金の卵たち”に、アルビレックス新潟、栃木SC、大分トリニータ、そして愛媛で活躍した元エースストライカーが真正面から指導にあたる。

「実際に指導してみて、指導者『本当に難しい』。自分の気持ちやサッカー観を伝える難しさを痛感しています。 だからこそ、この仕事に今はやりがいを感じています。 今後は、自分が関わった選手が一人でも多くピッチで活躍する、活躍できるように指導していきたい、クラブとしてもそのようにしていきたいです」

 また、将来的には監督も目指していきたいとも目標を掲げている。

 調子乗り世代のエース、河原がどんな選手を育てるのか。愛媛で、世界で、日本代表で活躍するのはまだ先の話かもしれないが――とても楽しみだ。

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[文:サカノワ編集グループ]

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