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【札幌】ミシャが最近チェックする欧州クラブは?「経営規模的に近く興味深い」

札幌のペトロヴィッチ監督。(C)SAKANOWA

全員残留というある意味、挑戦的なチーム作り。「何より、選手たちは自分たちの希望で残ってくれた」

[J1 1節] 柏 – 札幌/2020年2月22日/三協フロンテア柏スタジアム

 北海道コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロヴィッチ監督(愛称ミシャ)が、北の大地で指揮を執り3シーズン目を迎える。ルヴァンカップ準優勝とあと一歩で涙を飲んだが、昨季のメンバー全員が残留するという、ある意味、挑戦的なチーム作りで2020年に挑む。

 オフには故郷であるオーストリアなどで過ごしながら、欧州のサッカーをチェックする。以前にはユリアン・ナーゲルスマン監督(現・RBライプチヒ)が指揮していたTSG1899ホッフェンハイムの練習を視察したこともある。そういったことを踏まえながら、2020Jリーグプレスカンファレンスで、ペトロヴィッチ監督に話を聞いた。

――最近ミシャがヨーロッパ主要リーグで気に入っているチーム、チェックしているチームはあります?

「よくチェックしているのは、ドイツのボルシア・メンヒェングラートバッハ(現在ブンデスリーガ4位)です。若い監督(マルコ・ローデ監督/ライプチヒ出身の43歳)がオーストリア(RBザルツブルク)で指揮をしたあと昨シーズンからドイツで仕事をしていまて、そのチーム作りが興味深い。あとは戦い方で共通するライプチヒも見ます。それにイタリアのアタランタ(現在セリエAで4位)もですね。リーグ内でのクラブの経営規模の順位がウチと近く、そのうえ結果を残している。それぞれ特徴のある魅力的なサッカーをしているので、いろいろな面で参考にしています」

――ドイツの2チームは、カウンター・プレスを武器にしてきたものの、最近ポゼッションの要素も取り込んでいる印象を受けます。ミシャサッカーであり、札幌のスタイルと、戦い方の面では確かにどこか共通しますね。

「そうですね。キャンプで私たちは、前からボールを奪いに行くように取り組んできました。もちろん、いい部分やできていた部分もあります。一方、まだまだなところもあるので、取り組んできたことがこれから発揮されていくと思います」

――ポゼッションへのこだわりももちろん?

「これまで取り組んできたこと、やってきたことの蓄積やベースは間違いなくあります。一方で、私たちはより”ベター”なものを探っていく必要があります。より速く、より精度を上げる。そこはさらにこだわり、上積みしていきたいです」

――ミシャの考えるチームづくりが見えてきます。昨季のメンバー全員残留というのは、監督自身の意向でもあったのですか? さらなる戦力アップをしたいという考えはなかったのでしょうか?

「私は新しい選手を獲ってほしいという希望をそこまで持たないタイプ。自分の作ったベースの上で、しっかり育てていくのが好きなやり方でもあります。札幌は経営的にそこまで戦力を獲得できる資金があるとは言えません。私たちは若い選手を育てながらチームを作っていく。それが札幌の道。3人の大卒選手も、しっかり育てて、チーム全体をより強くしていきたい」

――なるほど。

「何より、選手たちは自分たちの希望で残ってくれました。不満があって出ていくのは仕方ないことだと選手たちにも言ってきましたが、このチームで結果を残したい、やっていきたいという思いで残ってくれたと思います。私たちのチームに決して『マスト』はない。残らないといけない、というわけではありませんでした」

――ホップ・ステップ・ジャンプと、飛躍の3年目にしたいですね!

「アリガトウ。より美しく良いジャンプを見せたいです(笑)」

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[取材・文:塚越始]

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