【札幌】まるで進藤+森脇。復活の駒井善成がストッパーの新境地を開拓
札幌の駒井善成(2018年5月撮影)。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
ミシャ流ギャップの突き方でチャンスを作り、フル出場を果たす。
[練習試合] 鹿島 2-4 札幌/2020年3月21日11:00
新型コロナウイルスの感染拡大に伴いJ1リーグが中断されるなか、北海道コンサドーレ札幌の駒井善成が3月21日の鹿島アントラーズとのトレーニングマッチ、3バックの右ストッパーに抜擢されて90分間フル出場を果たした。
昨年は1月のタイキャンプで右膝ヒザ半月板を損傷し、2月に手術を受けた。しかし、復活したあとの7月に再び同じ箇所を傷めて再手術に踏み切り、ほぼ1シーズンを棒に振った。
結局、2019年、リーグ戦出場は3試合のみ。出場時間は7月7日の18節・松本山雅戦(△1-1)が8分、7月13日の19節・大分トリニータ戦(●1-2)が23分、7月20日の20節・湘南ベルマーレ戦(〇5-2)が8分の計39分。7月3日の復帰戦となった天皇杯のHonda FC戦で唯一フル出場していた。
そして2020シーズン、2月16日のルヴァンカップ・サガン鳥栖戦(〇3-0)で23分、2月22日のリーグ開幕・柏レイソル戦(●2-4)で11分と、公式戦2試合のピッチに立っていた。
今回、中断期間に取り組んできたストッパーでの抜擢に。東福岡高校から加入した新人の荒木遼太郎と激しいマッチアップも繰り広げるなど守備でも健闘。「門」を通されて先制点を与えたのは課題だが、いい”宿題”になったはず。
そして攻撃時は、持ち味を生かして丁寧にボールを持ち運んで、ミシャ戦術をよく把握する27歳は、確実にギャップを突いて起点になっていった。
進藤亮佑のような思い切ったアタックと粘り強さも参考にして、浦和レッズ時代の同ポジションを務めていた森脇良太(現・京都サンガ)の起点の作り方や長短のキックの織り交ぜ方も彷彿させながら、時間の経過とともに徐々に駒井カラーを放ちながら、フル出場を果たした。
そして試合を終えたあと、駒井は今回の試合が「DAZN」で中継されたことを受けて、次のように自身のSNSのツイッター(@yoshi2266)で、メッセージを発信した。
「久々に画面越しでしたが皆さんの前で90分プレーできてよかったです。
今年は試合が延期になったり降格が無くなったりとイレギュラーなシーズンですが、プロとして全力でプレーしていきます。
膝の調子も良くなってきてますし、もっと良くなっていくと思うので引き続き頑張っていきます」
ようやく躍動を取り戻してきた。
加えて”前向き”のプレーに集中できる点で、3-4-2-1のストッパーは向いていて、オプションになり得る。駒井がストッパーの新境地を開拓した。
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[文:サカノワ編集グループ]