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【Jリーグ】「地域別開催案」も浮上したが「全国一斉」を目指す。新型コロナウイルスの感染状況にバラつきはあるものの…

FC琉球のサポーター。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

感染者がゼロの地域、グルージャ岩手、ガイナーレ鳥取であっても…村井チェアマンは、試合を開催すれば「感染リスクが高まる状況」と認識を示す。

 Jリーグはこのほど5月27日までのJ1からJ3リーグとルヴァンカップの全日程の延期を正式に発表した。5月30日からの日程については「未定」となっている。

 Jリーグは一旦、4月下旬からJ3、J2、J1と三段階で試合を実施する計画を立てていた。しかし今後は一旦完全にクリアにして、その「三段階開催」とともに「週末一斉開催」も選択肢に入れて調整していく。また、感染リスクの低い地域での開催についても検討されてきたが、”全国”一斉でできるまで基本的には待つ考えだ。

 一般社団法人日本野球機構(NPB)と公益社団法人 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)が合同で発足させた「新型コロナウイルス対策連絡会議」の第5回会議が4月5日に実施された。その「専門家チーム」の提言を受けた村井満チェアマンは、「地域の区別うんぬんではなく」感染リスクがあると現状を認識。まず、日本全体でピークアウトに向かうなど、展望を立てられる状況になるまで待つ意向を示した。

 当初Jリーグとしては、「どうすればお客さんを迎え入れて観戦できるのか」を考え、感染リスクを可能な限り回避する対策を練ってきた。そのなかで、「J3は地方都市が多く、いわゆる感染拡大警戒地域(厚生労働省が定義)が比較的少ないところも多く、加えて感染収容率が20パーセントほどで感染しにくいだろうと。そこで、まず感染リスクの定義から逆算し、J3(4月25日開幕)で備え、J2(5月2日)、J1(5月9日)に持って行こうというのが元々の議論でした」(村井チェアマン)。

 ただ、村井チェアマンは5日の臨時でのJリーグ実行委員会で、今後の日程について「白紙」にする合意を決めたあと、次のように語った。

「例えば、まだ感染が未確認の地域(この時は島根を含めた3県)。Jリーグですと、グルージャ岩手、ガイナーレ鳥取が対象になりますが、専門家の方々からはそういうところであっても時間の問題であり、感染地域になる可能性はある、と。加えて、そのエリアで試合を行う際、お客様の数を減らしたとしても、選手や関係者、その選手の移動も考えると、感染リスクにさらされる可能性があります。

 地域の区別うんぬんするものではなく、無観客であっても移動する選手の感染リスクがあることなどを考え、段階的なスタートそのものが、難しいということを、先生方からのメッセージとして受け止めました」

 以前は感染が認められない地域などでの開催案についても検討されてきた。しかし、まず”全国”で、推移を見守っていく考えを示した。

「なので次回以降に再開する時、約1か月繰り延べたあと3段階で開催することは、もちろん考え方としてあると思います。また、J1、J2、J3を少しでも先に延ばし、週末に同時開催する選択肢もあるかもしれません。このあたりは状況を丁寧に見極めながら、判断していこうと思っています」

 村井チェアマンはそのように説明していた。

 一方、Jリーグとしても注意したいのが、現状だと、チームや選手は「5月30日・31日」に照準を当てて調整することになりかねない点だ。

 まだ先の話とも言える。しかし、もしも、再び”試合をできそうにないけれど、準備しなければいけない”という状況になってしまうのだけは避けたいところ。

 結果的に新型コロナウイルスの感染拡大のみならず、ケガなどのリスクも高めてしまいかねない。7都府県に非常事態宣言が発出されるなか、チームの対策方針にもややバラつきが見えてきていただけに、リーグサイドからも細心を払う配慮をしていきたい。

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[文:サカノワ編集グループ]

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