ブンデスリーガ再開なるか?来週決定へ。8月まで大型イベント開催中止、「無観客試合」を模索
ブレーメンの大迫勇也。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
一部商店の営業を認める。しかし、ブンデスリーガ開催については「次の段階。今回は議論に挙がらず」。Jリーグにも参考になるか。
新型コロナウイルスの感染拡大と予防のため中断されているドイツ・ブンデスリーガ(DFL)は、5月中の再開を目指している。DFLは1部と2部の全36クラブによる総会を4月23日に行い、今後の方針を決める予定だ。
そうしたなか、ドイツのアンゲラ・メルケル首相が4月15日に連邦政府との会議後、感染者の増加スピードは緩まり医療崩壊を防げているとして、売り場面積800平方メートル以下の商店について、ソーシャルディスタンスを保つことなどを徹底したうえで、一部営業を認める方針を示した。長期戦覚悟で、ワクチンができるまで、ウイルスとともに生きていかなければいけない、とも語っている。
しかし、大規模イベントについては、最短でも8月末まで開催を禁止するとした。
DFLはこの決定を受けて、改めて無観客試合(ドイツでは「ゴーストゲーム」と呼ぶ)によるリーグ再開を模索していく考えを示す。
とはいえ、そもそも商店の営業を認める判断についても、時期尚早だと警告する専門家もいるという。それだけに、州知事の中には、サッカー開催について否定的な意見を持つ者も少なくない。試合が開催された際、サポーターがどのような行動を取るのか? 結果的に集まってテレビなどで観戦することになれば意味がないという声もある。
DFLは「社会的に見て、サッカー(ブンデスリーガ)が自己中心的だと思われてはいけない」というスタンスではある。一方、ちょうどシーズン終盤に差し掛かる時期でもあり、あと1、2か月で、資金ショートを起こすクラブも出てくると危機感を抱く。それだけにどうにかして試合を開催することで、放映権料を確保したい考えである。
この会議のあと、バイエルン州のマルクス・シェーダー州知事は「文化やスポーツは次の段階の話です。今日は議題に挙がりませんでした。ゴーストゲームが開催できるのかどうかも、間もなく議論されるでしょう」と語っていたそうだ。
DFLとしては6月30日までに、2019-2020シーズンの全日程を終えたいとしている。
再開に向けては、ドイツ国内でも意見が二分されているようであり、その取り組みは、Jリーグとしても参考になりそうだ。
これまでヨーロッパでは、ベルギーリーグがすでに全日程を終了すると宣言している。また、イングランドのプレミアリーグ、スペインリーグは、それぞれの政府が健康に問題がなく、リスクがないと判断するまでリーグを再開しないと決めている。また、セリエAは思い切って8月閉幕の日程にして、残り試合を開催できないかどうかも検討しているそうだ。
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[文:サカノワ編集グループ]