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元ブラジル代表FWが日本の問題を鋭く斬る「コロナ感染より自殺率の高さが深刻」

サンパウロを訪れた際のフランス(右)。サンパウロを訪れた際のフランス(右)。※SÃO PAULOFC_NETより

東京在住、柏と横浜FCで活躍した”魔術師”フランサが、日本と母国の今後を予測。

 Jリーグの柏レイソルと横浜FCで活躍した元ブラジル代表FWで、現在東京に住んでいるフランサが4月13日、ブラジルメディア『ガゼッタ・エスポルティバ』の取材に応じ、日本の新型コロナウイルスの感染状況についてレポートした。そのなかで「マスク2枚よりも現金を必要としています。とはいえ、最低賃金15万から20万円ある日本で、最も深刻なのは自殺率の高さ」と、ウイルスそのものよりも、精神的に疲弊することでの”自殺”こそ、この国の問題だと鋭く分析している。

 2011年まで柏、横浜FCで活躍し現役を終えたフランサは、そのまま日本に残り東京で生活を送っている。

 今回のインタビューでフランサは、日本のコロナウイルス対策に一定の評価をする一方、精神的な疲弊こそこの国の問題だと指摘している。

「武漢からのウイルスの感染が確認されたあと、日本の対策は迅速でした。4人の方が亡くなられたものの、日本はなんとか防ぎ止めました。しかしそのあと若者がスペインなどに旅行し、空港を閉鎖しなかったこともあり、ウイルスを持ち帰ってきてしまいました」

 そして感染が広まり、全国規模での外出自粛、7都道府県への政府からの非常事態宣言の発出に。「スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストアは開店しています。しかし、日本でデモ活動も起きました。私にとって、それは世界の終わりのように思いました」と続ける。

「この国では最低賃金が15万から20万円あります。それでも彼らは問題を抱えています。首相は各家庭に2枚のマスクを用意しましたが、今求めているのはお金です。何より深刻なのはこの国の自殺率でしょう。日本ではウイルスに感染して亡くなる方よりも、残念ながらロシアと並び、約3万5000人の方が自殺で亡くなっています(※編集グループ注:厚労省の発表では2003年に過去最多3万4427人、2019年は1万9959人)。これから失業者が増えると、そこに日本の懸念が見えてきそうです」

 そのようにフランサは、むしろ経済的にはある程度豊かであるはずなのに、なぜだ? と日本の問題をえぐっている。

 また一方で、ブラジルでは、これから新型コロナウイルスの第2波が訪れるだろうと予測する。

「日本では、ブラジルより以前にパンデミックが起きていました。今、第2波が来ています。残念ながら、ブラジルに、これから第2波が訪れるでしょう。少し気持ちが緩んで開放時になった時に来てしまうものです」

 そのように日本の状況をブラジルとも重ね合わせている。豪快かつ繊細な技で魅了した”魔術師”フランサだが、状況を冷静に見守りながら、日本と母国の”コロナウイルス後”の世界のことまで心配している。

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[文:サカノワ編集グループ]

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