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Jリーグ再開の参考に!ドイツは選手・スタッフの定期検査を実施、全体練習に向かう

ハノーファーの原口元気。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

約1700人の検査を実施、10人から陽性反応。

 日本人6選手が在籍するドイツ・ブンデスリーガはこのほど、1部・2部の36クラブの選手・スタッフ約1700人に対するPCR検査を実施し、10人に陽性の反応が出た。このうち3人が1FC.ケルン、またディナモ・ドレスデンにも感染者がいたことが判明したが、リーグは今後、クラブからの公表を控えるように通達している。

 ブンデスリーガの発表によると、今回、1724人に対するサンプル検査を実施して、10人に陽性反応が出た。リーグとしては、この検査を定期的に実施することで感染予防につなげるとともに、様々なサンプルを積み上げ、一度感染した選手のトレーニングへの復帰に向けた行程、周囲への感染予防の方策について、より客観的かつ具体化していく。

 ブンデスリーガでは、すべてのチームがソーシャルディスタンスを心掛けるなど対策を講じたうえで練習を再開している。そうしたなか、検査は定期的に実施する方針で、すでに2回目の検査も行われているということだ。リーグでは、リスクゼロにすることはできないものの、「無症状」の選手・スタッフがいる確率を減らし、不安を拭うとともにリスクを低減していけると狙いを示す。

 この2回の検査を経て、選手間の接触も可能な全体練習に突入したい考え(最終的には州ごとの判断になる)。その後も定期的に検査を実施しながら、無観客によるリーグ再開に向かう。時期は未定だが、5月中を目指している。

 一方、ドイツでは無観客試合を「ガイストシュピール=ゴーストゲーム」と呼び、ファンからは最悪のシチュエーションであると忌み嫌われてきた。そのため熱狂的なサポーターの一部は、無観客試合での再開に反発している。もちろん無観客であっても再開してほしいという声のほうが多いものの、もしも試合開催時にスタジアム周辺に人が集まることになれば、その後の継続も難しくなるなど、まだ状況が読めない点もある。

 また、RBライプツィヒやディナモ・ドレスデンがあるザクセン州の首相はリーグ再開時、まず無料でTV放送をすべきだと主張。医療ソースの活用など多くの人が再開に向けて協力し、加えてほとんどの人が娯楽に飢えているからだと強調している。

 PCR検査に対する考え方がまず日本とドイツで異なるものの、選手・スタッフやその家族の不安を拭うための方策として、Jリーグでも参考になりそうだ。

 ブンデスリーガには現在、大迫勇也(ヴェルダー・ブレーメン)、長谷部誠と鎌田大地(アイントラハト・フランクフルト)、遠藤航(VfBシュトゥットガルト)、原口元気(ハノーファー96)、宮市亮(FCザンクト・パウリ)が在籍している。

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[文:サカノワ編集グループ]

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