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Jリーグ再開へ。ドイツ式「3ゾーン入場方式」検討

ブレーメンの大迫勇也。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

無観客試合の場合。今後のスタンダードになっていくか。

 Jリーグの各クラブの代表者による実行委員会が5月11日に行われ、同日に行われた「新型コロナウイルス対策連絡会議」についての報告や提言の内容を共有したうえで、今後に向けて協議した。現在、全国で緊急事態宣言が発出されているため、再開日程についての話はなかったということだ。

 一方、感染者数は減少傾向にあり、韓国のKリーグが再開、さらにドイツ・ブンデスリーガも16日に再開予定で、スペインリーグも6月再開の方針が示されている。少しずつスポーツ界にも動きが出てきた明るい材料も揃い出し、コロナ禍でのJリーグの試合開催に向けた、より具体的な話し合いが行われたという。

 実行委員会のあとのメディアブリーフィングでは、もしも無観客試合になった場合の「導線」についての案が示された。

 ブンデスリーガは1試合最大300人に抑えることにしている。具体的に、1部の試合ではスタジアム内に、選手、スタッフ、TVなど放送クルー、メディアなど213人が入ることができて、スタジアムの大きさによっては警備員などさらに109人を増員できる。2部リーグは188人までにするという。また、スタジアム内を3ゾーンに分けて入場と退場を行い、約100人ずつ、それぞれ接触がない状況にする。万が一、新型コロナウイルスの感染が確認された場合のリスクを分散するための対策だ。

 Jリーグの担当者は、「合理性がある。ドイツではスタジアムに来る人をできるだけ少なくしたほうが良いというプロトコルを作成していて、それは日本でも取り入れたほうがいいと考えています」と、無観客試合を開催する場合には、そのブンデスリーガ案を参考にするということだ。ただ、当面、もしも観客を一部迎え入れて開催する場合も、そういった措置がスタンダードになっていく可能性も高い。

 また、ロッカールーム、シャワーなどが密にならないようにすること。さらには、シェイクハンドセレモニーはどうするかなど、細かい点についても今後詰めていくそうだ。

 とはいえ、世界各国も手探りで前へ進んでいるのが実情である。Jリーグでは、これまで選手などの感染が確認された場合、チーム全体の4、50人全体が隔離を余儀なくされた。もしもリーグ再開後に同じことが起きると、試合ができなくなり、改めて日程を練り直さなければいけなくなる可能性も出てしまう。さらには感染したチームの直近の対戦相手も隔離になることもあり得る。そういった状況を避けるためにはどうするべき。そういった点について、クラブと協議し、今後詰めていくそうだ。

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[取材・文:塚越 始]

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