Jリーグとプロ野球、感染症専門家が「当面は無観客試合で」と具体的提言、PCR検査も推奨。新型コロナ対策連絡会で
NPBの斉藤惇コミッショナー(左)と Jリーグの村井満チェアマン(右)。(2020年3月2日撮影)写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
村井チェアマン「一つの手段として、受け入れて考えています」。
一般社団法人日本野球機構(NPB)と公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)が合同で立ち上げた「新型コロナウイルス対策連絡会議」の第8回会議が5月22日にオンラインで行われ、会議のあと、NPBの斉藤惇コミッショナー、 Jリーグの村井満チェアマン、「専門家チーム」の賀来満夫氏(東北医科薬科大医学部)、三鴨廣繁氏(愛知医科大大学院)による記者会見が行われた(舘田一博氏[東邦大医学部]は会議に出席)。今回は開幕・再開に向けたガイドライン、新たな提言が示された。これまでは無観客試合について、新型コロナウイルスが「流行した」場合に推奨していたが、より具体的に「当面は」に改正された。
新型コロナウイルスは世界的に見ると今なお感染拡大が続くものの、日本での患者数は確実に減少傾向にある。緊急事態制限が発令されているのは1都3県の首都圏のみだが、25日にも解除される可能性がある。
専門家チームの座長を務める賀来氏は新たな提言について発表。その基本方針で、「開催に向けて最大限の防止策を行い、日常生活の自制を求められるなか、細やかなガイドラインを実施し、試合開催によって選手・コーチ・選手・スタッフ、観客が感染クラスターになることを防ぎ、安全第一に日本のスポーツ文化を守ることが、最も重要な目標と考えます」としている。さらには「開催地の自治体との連携を緊密に図って、試合を開催することがとること前提である」と、改めてスタジアムがある都道府県や市町村との連携が重要であると強調されている。
また、「当面は無観客試合で開催し、再流行時には、試合延期も含めて専門家チーム・アドバイザーと検討」と明記された。さらに、ドイツ・ブンデスリーガで採用されている毎週(試合後、試合前など基本的に週2回)のPCR検査についても、検査の感度や精度不足など課題はあるものの、「迅速な対応の準備」が推奨されている。
村井チェアマンはこの無観客試合の提言について、「一つの手段として、受け入れて考えています」と語った。
Jリーグは2月16日にルヴァンカップ、21日から23日にかけてJ1とJ2リーグの開幕戦(1節)が行われたが、その後のカードがすべて延期に。現在、スケジュールは「白紙」となっていて、このまま全国の緊急事態宣言が解除された場合、29日にも発表される。
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[取材・文:塚越 始]