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【鹿島】ファン・アラーノが挙げる今季の重要ポイントは「結束力」。母国の新型コロナ感染状況を憂う

町田との練習試合に出場した鹿島のファン・アラーノ。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

「道徳の面」で、ブラジルと日本の違いを感じる。

 J1リーグ鹿島アントラーズのブラジル人MFファン・アラーノが6月23日、オンラインによるメディア取材に応じて、近づいてきた7月4日のJ1リーグ再開(アウェーの川崎フロンターレ戦)に向けて、現在のチーム状況や課題を語った。また、新型コロナウイルスの感染拡大が続く母国の状況に「家族がいるのでとても心配。日本とブラジルでは道徳の面で異なると感じています」と口にした。

 今季ブラジルのSCインテルナシオナルから完全移籍で加入した23歳の攻撃的ミッドフィルダーは現在のコンディションについて、「全体練習をしてきたこの3、4週間の間に、小さなケガもしてしまいましたが、そこからだいぶ回復してきました。今週末の練習試合で、さらにフィジカルコンディションを上げていければと思います。再開時にはいい状態でスタートしたいです」と抱負を語った。

 5月20日の町田との練習試合では、エヴェラウドと2トップを組んで先発出場した。アラーノは「試合を重ねることでタイミングを合わせ連係を高めることが重要。そういったことができてきていることがすごく良かったです」と、少しずつ感覚を掴めてきているという。そのうえで、「監督の目指すスタイルや狙いが以前と比べて浸透してきている手応えはあります。足りないところは、全員がフィジカルコンディションを高めること。グループ全体で戦わないといけないし、みんなで乗り越えないといけない」と語り、「何より、このシーズンは結束力が求められています」と強調した。

 また、ザーゴ流のメニューとして「11対0」で連係を高める練習に取り組んでいることも明かした。「だいぶタイミングやイメージが合ってきて、その反復練習を試合でも表現できるようになってきました。もっと仲間の特長を把握することが重要だと思います」と、今後の課題も挙げていた。

 一方、ブラジルでは新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。現在単身で日本で生活しているアラーノは母国の状況を憂う。

「今年は様々な初めての経験をしています。鹿島に来ることができて嬉しく後悔もしていません。感激することがとてもたくさんあります。ブラジルの新型コロナウイルスの感染状況は非常に危険が続き、衛生面、予防面、それに個々の経済的な理由も関係しています。収束ではなく拡大に向かい、ブラジルにいる家族のことを心配しています。コミュニケーションは取っています。比較すると日本は安全で道徳のある国で、それが一番の異なる点だと感じています」

 そのように、この新型コロナウイルスに対する、日本の多くの人たちの対応に感心をしていた。

 J1リーグ再開まで2週間を切った。ファン・アラーノは「僕は自己分析をすることも好き。練習試合も振り返り、味方がパスをほしがっていたタイミングをチェックしています。ギャップがあるところは仲間とも話し合っています」と、ディテールにこだわる段階に入っているとも話す。いよいよ“本番”が近づいてきた――。

 鹿島は7月4日のアウェーでの川崎戦、8日のホームでの北海道コンサドーレ札幌戦にリモートマッチ(無観客試合)で臨む。その後、観客動員が一部認められる予定(詳細未定)で、12日にアウェー浦和レッズ戦、18日にホームで横浜F・マリノス戦が組まれている。

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[取材・文:塚越始]

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