【鹿島】三竿健斗の実感「サッカーがないと生きる理由がない」。川崎戦へ“チャレンジ”を強調
鹿島の三竿健斗。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
「自分たちのスタイルが、完成しているチームにどこまで通用するのか。でも何より個々の――」
鹿島アントラーズの日本代表MF三竿健斗が7月3日、現在のチーム状況や雰囲気、そして翌日のJ1リーグ・2節の川崎フロンターレ戦に向けた決意を語った。
当面は移動による新型コロナウイルスの感染リスクを軽減するためスケジュールが組み直され、関東圏を中心としたチームとの対戦が続く。そのリスタート初戦、川崎とのアウェーゲームが組まれた。
三竿は次のように抱負を語る。
「いろいろ準備はしてきたので、それを表現することが一番大事。自分たちのスタイルが、完成しているチームにどこまで通用するのか、チャレンジする必要があります。何より個々のバトルのところ、球際で負けず走り勝つこと。その基本的なところで相手を上回らなければ勝負ごとは勝てない。ただ、最近(結果では)勝ててはいないですが、自分たちの流れや時間もすごくありました。まず先に失点しないこと、それが勝利に近づくポイントだと思います」
そのように勝利への道筋を示す。
三竿自身はこの中断期間、目の前の練習に全力で取り組むというスタンスを変わらず貫いてきたという。
「先が見えないなかで練習してきたので、個々それぞれどこにピークを持っていくのか、日々のモチベーションの設定がバラバラになっていた時がありました。そういったなか、どの練習に対しても、常に全力でやること。それは当たり前ですけれど、やり続けてきました。その姿勢がチームにいい影響を与えられたらなと思っていました」
それぞれが葛藤しながら辿り着いたリーグ再開の日。ここからチームとしての戦いが改めて始まる。
「試合が始まれば連戦が続き、いい時も、悪い時もあり、一つ勝てればそのまま流れに乗っていける経験をしています。結果が出なかった時、マイナスな発言がどうしても出ると思うので、その時にみんなが一つの方向を向いてプラスに考えられるように、ネガティブよりもポジティブに捉えられる雰囲気を作れればと思います」
三竿はそのように決意を示す。
そして今季ゲームキャプテンを務める三竿は、この中断期間を改めて振り返る。
「自粛で普段の生活ができず、サッカーもできない時、大きなストレスを感じていました。でも、いざ練習が始まると、そういったストレスがなくなったので、やっぱり自分はサッカーがないと生きている理由がないんだと感じました」
一方、1月の天皇杯決勝からほぼ休みなく新シーズンを迎えた反動は、今思えば大きかったと感じているも言う。
「体を一旦完全に休めることはできました。最初のオフはやっぱり完全に体を休めていませんでした。試合をたくさん戦っていくメンタリティではなかったのかなと感じます。この中断期間、体も思考もリセットされたと思います。ここからの連戦、みんなで戦い一つ勝てれば自信になり、どんどんいい方向に行くと思います。一つでも多く勝ちを重ねていければ、すごくいいチームになっていくと思います」
決して望んでいた中断期間ではなかった。ただ体と思考が一旦リセットできた点は、鹿島にとってきっとプラスだったと捉えている。そのうえで三竿は総力を結集し、勝利を掴むことで流れを掴みたいと考えていた。
鹿島は4日の川崎戦、8日(19:00)にホームでの北海道コンサドーレ札幌戦と続く。そのあとはホーム側のみ一部観客動員が認められる予定で、12日(19:00)にアウェーで浦和レッズ、18日(18:00)にホームで横浜F・マリノスと対戦する。
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[取材・文:塚越始]