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【川崎】爽やかに驚愕ミドル、大島僚太が明かすFC東京4-0撃破の背景「ダミアンを孤立させないように」

オンラインでの取材に応じた川崎の大島僚太。(C)SAKANOWA

クロスバーを叩く無回転ミドルでネットを揺らす。増えてきたチームの「武器」。

[J1 3節] FC東京 0-4 川崎/2020年7月8日/味の素スタジアム

 川崎フロンターレがFC東京との「多摩川クラシコ」で4-0の大勝を収め、開幕から2勝1分と無敗をキープ。新型コロナウイルスの影響による中断明けは、鹿島アントラーズ、FC東京と昨季の2位・3位チームから連勝を収めた。

 中断明け、ともに勝利でリスタートを切った両者の対戦。ふたを開けてみると、鹿島戦(〇2-1)で好感触を掴んで臨んだアウェーチームが、前半だけで4点を奪うワンサイドゲームを演じた。

 そのゴールショーの幕開けを飾ったのは4-3-3のインサイドハーフで先発した大島僚太だった。

 立ち上がりからボール保持率で圧倒するなか、17分、左サイドのスローインからのレアンドロ・ダミアンのポストプレーを経て、ちょうどペナルティエリアに差し掛かるあたりから大島が右足を強振。髙萩洋次郎のスライディングタックルを一瞬早くかわして、豪快な無回転ミドルでクロスバーを叩きながらもネットを揺らした。

 アウェーチームはさらに両サイドを活用しながら、ハーフスペースを徹底的に攻略。レアンドロ・ダミアン、長谷川竜也の2ゴールで、前半だけで4ゴールを決めて試合を決めた。

 大島は試合後、「ダミアンの背負う姿を見て、入っていこうと思いました。あそこまで綺麗に(ボールを)落としてくれたので、『思い切り打とう』と思いました」と、先制弾を振り返った。

 今季は4-3-3の布陣を採用し、FWの後ろでプレーする形になった。その新布陣で奪えた今季初ゴールについて、「あのゴールは、ポジションが変わったから生まれたというわけではないと思っています、何とも言えないですけれど……。一つ前(FW)の選手に絡んだいくイメージは多少持てていけるかなとプラスに捉えています」と、“システム”が最大の理由ではないのではないかと私見を述べていた。

「相手のどこを狙いどのように点を狙うのか。選手同士でたくさん話して、それが上手くいっていると思います。守備においてもチームのスカウティングで、相手のビルドアップに対する圧力のかけ方を明確にしてくれるので、迷いなくプレーできている、かなと思います」

 大島はそのようにコミュニケーションとチームの対策が、しっかり奏功していると頷いた。また、レアンドロ・ダミアンの生かし方、周囲の生かされ方について、興味深いことを語っていた。

「(中盤3枚が比較的自由に)ローテーションはしますけれど、なるべくダミアンが孤立しないように、上手く誰かが関われるように心掛けています。後ろに人数が多くなりすぎることもないように、人の配置は気を付けていました。(4-3-3により)真ん中を使いつつ、幅も持たせて、そこが自分たちの武器になってきていて、その広がりのところでの強みもたくさん出せました」

 ピッチに立っている選手が、ゴールを奪うための狙いと意図、さらに相手の狙い目や“勝負どころ”を認識し合えている。それらをしっかりピッチで表現してのライバルからの勝利に、川崎の10番は爽やかな笑顔を浮かべ、充実の手応えを得ていた。

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[文:サカノワ編集グループ]

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