「拍手の力」が選手を勇気づける。コロナ中断後初、岡山対北九州で観客動員再開
岡山時代の濱田水輝。(C)SAKANOWA
岡山の有馬監督「我慢しながらの応援のなか、精いっぱい拍手を送ってくれたのは心強かった」。
[J2 4節] 岡山 0-2 北九州/2020年7月10日/シティライトスタジアム
J2のファジアーノ岡山対ギラヴァンツ北九州戦が7月10日に開催され、新型コロナウイルスの影響による中断明け、Jリーグの公式戦として初めて観客を迎え入れて開催された。政府方針の感染症対策「ステップ3(大規模イベントでは会場の半分、あるいは5000人以下の少ないほう)」に従い「5000人以下」の条件で開催されたが、平日開催だった影響はあるものの、人気クラブの岡山でも、2294人の来場にとどまった。試合はアウェーの北九州が後半の髙橋大悟と佐藤亮のゴールで、2-0の勝利を収めた。
観客には、新しい応援スタイルの“ルール”もお願いされた。感染症防止対策のため、Jリーグの定めるガイドラインでは・応援の扇動 ・歌または声を出しての応援、指笛 ・手拍子 ・太鼓など鳴り物 ・ハイタッチや肩組み ・ビッグフラッグ は禁止された。
一方、認めらているのが「拍手」だ。
ウォームアップで選手が登場した際には一斉に拍手が起こり、岡山の北川真也社長は感動し「身震いした」と言う。有馬賢二監督も「ともに戦う仲間がいてくれることを感じながらできました。サポーターの方たちも少し我慢しながらの応援だったと思いますが、その中で精いっぱい拍手を送ってくれたのは心強かったです。改めて一緒に喜び合いたいと思いました」と振り返っていた。
試合中も、好プレーには拍手が起きて、選手たちの背中を後押しした。そして試合後には、ソーシャルディスタンスを保って立ち上がって選手たちを迎え、大きな拍手が送るバックスタンドの観客の姿が、DAZNにも映し出されていた。
岡山の濱田水輝は気持ちが昂ったと振り返った。
「お客さんがいない中と、いつもの人数ではないですけれどお客さんが入ってくれる中では、全然試合は違うものになります。気持ちも昂ぶりました。サポーターの思いが、より選手たちに伝わってきました。その中で、結果で示したかったですが、それができなくて、申し訳ない気持ちと残念に思っています」
上門知樹も「(サポーターの拍手は?)間違いなく力になりました。スタジアムに入った時から、雰囲気が違いました。サポーターがいるのと、いないのでは、全然違うなと感じました」と感謝していた。
当面は「拍手」が、選手を勇気づける、一つの大切な表現となっていきそうだ。
Jリーグのガイドラインでは、「これまでとは違う観戦スタイルとなるが、試合開催において最も重要となるのは、感染拡大のリスクを最大限に抑えることにほかならない。選手、スタッフ、ファン・サポーター。あらゆる関係者も含め、サッカーファミリー全体の秩序ある行動が、これからのJリーグには求められることになる」と記され、協力を呼び掛けている。
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[文:サカノワ編集グループ]