【横浜FC】最年長53歳、三浦知良がスライディングに込めた思い「気負いではなく気合いを入れるため」
オンラインによる記者会見で試合を振り返る横浜FCの三浦知良。
リーグ最年長が先発、アウェー鳥栖戦で勝利に貢献。下平監督も「アップ、円陣を組む時から雰囲気が違っていた」。
[ルヴァン杯 GS2節] 鳥栖 0-1 横浜FC/2020年8月5日19:00/駅前不動産スタジアム
ルヴァンカップ・グループステージ2節、横浜FC戦の53歳、FW三浦知良がサガン鳥栖戦で先発出場を果たして、63分に一美和成と交代するまでプレーし、1-0の勝利に貢献した。同大会での史上最年長出場記録となった。
この試合にどのような思いで臨んだのか。カズは次のように語った。
「今なお新型コロナウイルスの感染が広がっている世の中であり、まだまだ非常に大変な時間を過ごされている人が多いなかで、自分たちがこうしてお客さんの前でサッカーができる、TVなどを通じて皆さんにお見せできる機会をもらえて、本当に幸せだと思います。
自分自身としては、久しぶりの公式戦出場でしたので、チームが今(リーグ戦で)連敗していて、何とかこのルヴァンカップで勝利し、チームがいい方向に行くようにしたいなと。自分にはその責任があるという気持ちでピッチに立ちました」
立ち上がりには相手へのスライディングタックルで、タイミングが遅れファウルになった。ただその後は試合の流れに乗り、炎天下でありながら走り続け、惜しい決定的なヘディングシュートも放った。
「本当に久しぶりのスタメン出場でした。緊張感を自分はいつも持って、ピッチに立っています。その面ではどの試合とも変わりません。最初のスライディングに関しては、チーム全員に自分の闘う姿勢を見せたかったので、相手にちょっと遅れて入ってしまったのは申し訳なかったですが、気負いと言うよりも気合いをチームメイトに示したかったからです。思い切って行くことによって、チームが闘う気持ちになれたらいいと思って、そのようなプレーになりました」
カズゴールはお預けとなった。それでもチームに流れをもたらす。その役割を果たし、そして「最高のお手本となるカズさんの背中をずっと追いかけてきた」という瀬沼優司のゴールで、シャットアウト勝利を収めた。
「最初の時間帯でショートパスがずれたのは何回かありましたが、公式戦を戦うのが初めての選手が7、8割で、準備期間も限られました。このメンバーで1試合を通してやることがほとんどないぶっつけ本番みたいになり最初は噛み合いませんでしたが、時間が経つごとに段々と噛み合い、そのあたりは良かったと思います」
チームは久々の勝利を達成。紛れもなくカズが前線で体を張ったからこそ手にした1勝だった。
下平隆宏監督は次のように“カズ効果”について語った。
「カズさんがメンバーに入り、当然選手の士気も上がりました。アップの雰囲気、円陣を組んだ時の雰囲気、すべてカズさんが入るだけで雰囲気が変わります。そういったチームに与える影響はありました。プレーも献身的で間に入って、降りてさばいて、クロスにも入って、決定機につなげるシーンもありました。本当に欲を言えば、あのヘディングシュートが決まっていれば100点満点以上のパフォーマンスだったと思います。とはいえ点は入らなかったですが、持っている存在感を含め、本当にチームにいい影響をもたらしてくれたと思っています」
このコロナ禍での九州への遠征。カズが体を張ってチームに勝点3をもたらし、鳥栖から横浜へと戻る。
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[文:サカノワ編集グループ]