【鳥栖】金明輝監督の夜間発熱、クラブは把握せず練習実施。桑原勇斗コーチが代行予定だが…
鳥栖の金明輝監督。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
竹原社長が記者会見を行い、マスクなしで金監督とスタッフによるミーティングが実施されたことも報告。6人を新たにコーチとしてトップチーム登録。
J1リーグ・サガン鳥栖の竹原稔社長は8月11日、金明輝監督が新型コロナウイルスに感染したことを受けて、オンラインによる記者会見を行った。金監督との濃厚接触者と認定されたスタッフ3人が隔離されたが、当面の体制について竹原社長は「桑原(勇斗コーチ)が代行という形で今は動いています」と説明した。金監督は29日のアウェーでのJ1リーグ13節・湘南ベルマーレ戦での復帰を目指して治療にあたる。
当初8日に指揮官に「体調不良」があったと報告されていたが、新型コロナウイルスによる影響がどうかは分からず、「暑さや緊張などにより体調がすぐれないというもの」であり、その表現は適していないとして消去された。
ただし9日夜に金監督が38.0度の発熱を起こしたことについて、クラブは10日午前の練習に臨む段階では把握していなかったという。夏場の練習では、一時、高熱を発するケースが少なからずあるため、金監督は10日朝の段階で平熱に戻っていたことから、通常通りに練習に参加したという。
しかし金監督は練習後も倦怠感があったため、メディカルスタッフと相談のうえ、点滴治療などを勧められて、佐賀県内の病院で診断を受けた。そこで症状などからPCR検査を受けたところ、新型コロナウイルスの陽性反応が発覚した。その後の調査で、9日の発熱が確認されたということだ。
指揮官の陽性判定を受けて、トップチームに関わる選手・スタッフ89人のPCR検査を実施し、その結果は明日判明する予定。また、金監督との濃厚接触者として、スタッフ3人が隔離された。役職や名前は公表されていないが、金監督とマスクなしでのミーティングを実施していたそうだ。
11日の全体トレーニングはキャンセルされ、個別の自主練習に切り替えられた。また、12日のルヴァンカップ・グループステージ3節のアウェーでのサンフレッチェ広島戦(19:00/エディオンスタジアム広島)は、PCR検査の結果を受けて、試合当日の移動で対応する。
夏場のトップアスリートと指導者の体調管理の難しさについて、改めて知り得る機会になったとも言える。一方、屋内でのミーティングなど、ピッチ外での感染リスク軽減こそ、Jクラブが今後重視すべき点になることも分かる。
鳥栖はこの事態を受けて11日付で、白井裕之ヘッドオブコーチングや下部組織を指導する計6人をトップチームのコーチとして登録した。PCR検査の結果とその濃厚接触者の特定によっては、指導体制がどうなるか分からないための措置とのこと。竹原社長はその点について、次のように説明した。
「これからコロナウイルスの感染者が出る、出ないとはっきりしていない段階で、明日(広島戦)や土曜日の試合(15日19:00開始/J1リーグ10節/ガンバ大阪戦/駅前不動産スタジアム)、相手チームに安心していただくため、より厳格に、可能性のあるスタッフを隔離する場合も想定されます。コーチ陣がいない、サポートする人がいないという状況であれば運営できず、多くのユースの選手が試合に出ているなか、トップチームのバックアップとして(ベンチなどに)入るケースもあることを考え、登録させていただきました。とはいえ金監督に代わる人はいませんので、今の中でできるだけサポート体制を厚くしていきたいという考えです」
登録されたコーチの名前、役職、生年月日は次の通り。
白井 裕之
Hiroyuki SHIRAI
コーチ 1977/07/10
佐藤 真一
Shinichi SATO
コーチ 1975/09/14
日高 拓磨
Takuma HIDAKA
コーチ
1983/04/08
田中 智宗
Tomonori TANAKA
コーチ
1978/08/03
室 拓哉
Takuya MURO
GKコーチ
1982/11/02
五藤 豪
Takeshi GOTO
GKコーチ
1987/02/05
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[取材・文:塚越始]