【鹿島】初先発の荒木遼太郎、内田篤人の魂をつなぐ「同じサイドで組ませてもらって」
鹿島の荒木遼太郎(6月の町田戦で撮影)。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
FC東京に逆転勝利! ファン・アラーノの決勝初ゴールをアシスト。
[J1 26節] FC東京 1-2 鹿島/2020年8月26日/味の素スタジアム
J1リーグ鹿島アントラーズの高卒ルーキー荒木遼太郎がFC東京戦でリーグ初先発を果たし、57分に一瞬の隙を突く縦パスからファン・アラーノの逆転決勝弾となる彼自身の移籍後初ゴールをアシストした。
東福岡高校から加入した18歳のミッドフィルダーはプレシーズンから好調をキープ。実戦経験を積み続け、この日、ついにリーグ戦でのスタメンの座を勝ち取った。
「特に緊張せず、『思い切りやってこい』と監督からも言われていました。持ち味を思い切りピッチで表現できました」
そう振り返ったように、鹿島の26番はボールを確実に収めて起点になるなど、堂々としたプレーを披露。1-1で迎えた57分、敵陣にできたギャップでボールを受けて前を向くと、ファン・アラーノへの鋭いパスを放ち、鮮烈の左足ボレー弾を演出した。
「(三竿)健斗くんが『ミスをしてボールを取られても、俺が取り返してやる。どんどん自分の良さを出して行け』と言ってくれて、試合前から自信を持ってプレーできました。守備の部分のフィジカルがまだ全然足りていないのは課題。点を決める強い気持ちがアシストにもなり、持ち味を出しながらゴールへの迫力をさらにつけていきたいです」
そのように課題を挙げながらも、攻撃に集中することで“鹿島の武器”としての威力を放ってきていることが分かる。
一方、前回のガンバ大阪戦を終えて内田篤人が引退した。彼の姿はもうピッチにはない。そんな内田から受けた影響について、プロ1年目のアタッカーは次のように語る。
「篤人さんとはずっと同じサイドで、最初の実戦となった水戸とのプレシーズンマッチから組み、先日のルヴァンカップの清水エスパルス戦でも一緒にプレーしました。本当にやりやすさがあり、自分が困った時のパスコースの作り方がすごいなと思い勉強になりました。そういったところを、生かしていければと思います」
右サイドでつながっていた関係、一つひとつのプレーに込められていたメッセージ。こうしてクラブが大切にしているDNAは伝承されていくのだろう。
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[文:サカノワ編集グループ]