【札幌3-4浦和】9戦白星なし、ミシャが進退に言及「この私をどうするか、クラブが考えなければいけない」
札幌のペトロヴィッチ監督。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
札幌は2失点からジェイ2発など一時ひっくり返したが…。
[J1 16節] 札幌 3-4 浦和 /2020年9月13日/札幌ドーム
J1リーグ16節、浦和レッズが4-3で北海道コンサドーレ札幌に再逆転で勝利を収め、勝点3を手に入れた。一方、札幌は3連敗で、9試合勝ち星なし。泥沼にハマっている。
札幌は悪循環を断ち切るチャンスがありながら、さらに深みに向かってしまった印象だ。
13分、関根貴大の突破に対するチャナティップの全く不要なファウルでPKを与え、杉本健勇に決められてしまう。さらにロングボールからのカウンターで、杉本に2点目を与える。
そこからの猛反撃は見事だったと言える。最近の試合では一辺倒だと課題に挙げられてきたサイドアタックだが、これが浦和相手にハマり、ジェイが2ゴール。そして15本放ったコーナーキックから、オウンゴールで逆転する。
ところが選手交代をしていくと、サブメンバーの差が出てしまう。
札幌はボランチが相手のプレッシングを回避するように低い位置でボールを処理しようとポジションを下げるため間延びが発生。バックパスも目立ち、前を向いたとしても低いポジションからのキックになり、ほとんど脅威を与えられない。
それでもチャンスを作り出したが、ジェイら先発組が退くと得点の匂いも薄らいでいった。すると、そうしているうちに、マルティノス、レオナルド、汰木康也、山中亮輔、柴戸海と個の強さを生かした浦和の強烈な圧力に屈し、槙野智章と柴戸に決められ、再逆転を許した。
試合後、ペトロヴィッチの言葉は選手たちを称賛するものの、やや悲観的だった。
「立ち上がり20分間は相手をリスペクトしすぎ、消極的なプレーが目立ち、2点を先取されました。そこから恐れず、自分たちのプレーをしていくなか、しっかりボールを保持して3点を奪えました。しかし結果的に敗れてしまったわけですが、試合を通して、主導権を握れていました。25本をシュートを放ち、浦和は8本。コーナーキックは15本、浦和は1本でした」
指揮官は続ける。自身の進退にも言及した。
「その数を見ても、十分試合を支配してゲームを進められたと思います。選手たちはよく戦い、全力を尽くして戦ってくれました。いいゲームをしながらも勝利できない。ここ最近、非常に残念な結果ですが、選手たちはよく戦ってくれたと称賛したいです。結果が出なかったことは、監督である私が責任を受け止めなければいけない。勝てない状況が続くなか、反省していますし、私自身は与えらえた仕事にしっかり取り組みますが、この私をどうするかはクラブが考えなければいけないことです」
札幌を率いて3シーズン目、とりわけ現在はルヴァンカップ敗退により目標を失い、モチベーションを相当に落としているようだ。自身をオプティミストだと公言してきたミシャだが、もしかすると、そのネガティブな思考も選手に伝播しているのかもしれない。
札幌はこのトンネルからクラブ一丸となって抜け出すことができるか――。
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[文:サカノワ編集グループ]