【C大阪1-2鹿島】レオ・シルバのハンドはなぜ見逃されたのか?審判インストラクターが見解を示す

鹿島のレオ・シルバ。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

適切な位置にいた主審が、フォーカスしていたのは2点――。

[J1 17節] C大阪 1-2 鹿島/2020年9月19日/ヤンマースタジアム長居

 J1リーグ鹿島アントラーズが2-1でセレッソ大阪に勝利を収めた試合の後半アディショナルタイム、C大阪の片山瑛一のロングスローから鹿島ゴール前で競り合った際、VTRで確認すると、マテイ・ヨニッチがボレーで合わせようとしたボールを、鹿島のレオ・シルバが振り上げた腕で触れてしまっているシーンがあった。

 C大阪の選手たちはハンドのファウルだと猛アピールしたものの、松尾一主審はそのまま流してプレー続行。一転、カウンターから抜け出したレオ・シルバがGKキム・ジンヒョンと1対1になるビッグチャンスを作り出した(ボールコントロールを誤り、ボールをカットされる)。

 その後もインプレーが続いたため、C大阪の選手たちは試合終了後に松尾主審に抗議をしたが、もちろん判定は覆らなかった。

 逆サイドのゴール裏からのカメラが、このシーンをはっきりと捉えていた。むしろ、なぜ、百戦錬磨のレオ・シルバがここでボールの方向へ“手を出す”選択をしたのか少し驚かされもする。ゴールに直結する場面で、不自然に肩より高い位置まで上げた腕にボールが当たっていて、明らかにハンドのファウルの対象である。

『DAZN』の人気コンテンツ「Jリーグジャッジリプレイ」で、このシーンが取り上げられ、松尾主審は適切な位置でプレーをチェックしていたものの、なぜ、この反則を見逃してしまったのか。日本サッカー協会(JFA)のS級審判インストラクターの廣嶋禎数氏が「私自身がこの映像を見て、思ったことは2点あります」と、詳しく解説した。

「一つはレオ・シルバ選手が(振り上げた右足の)足裏を見せています。まず、そこの(ヨニッチとの)コンタクトがあるのかどうか。足裏のコンタクトがあれば、そのファウルを取らなければいけません(実際はコンタクトはなかった)。行き方として、非常に危ない。ただ距離が空いていたので、相手選手(ヨニッチ)のプレーに影響していないと言えました」

 コンタクトのファウルがないことをチェックした直後、ハンドが起きたわけだが――。

「そこ(足裏のコンタクトの有無)も見つつ、次に流れたボールの争点を見ようとします。(ヨニッチが)直接シュートに行くことがなくなり、次のプレーに目を移すと(両チームの選手の競り合いが起きている)、ハンドの瞬間がボヤけてしまう。そういったことが起きたのではないかと思いました」

 ゴール前の混戦では、主審はボールの動きに加え、そういった危険を感知しコンタクトがないかどうかにもフォーカスしている。そうしたなかで次々と新たなバトル(争点)と展開を迎えたため、想定外すぎたハンドには気付けなかったということだ。

 とはいえ2位C大阪は6連勝を続け、首位の川崎フロンターレを猛追していた。“VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)がいれば……”と悔やんでも悔やみ切れないシーンになってしまったのは事実だ。今後への影響も気になる。

 同コンテンツではこの他、北海度コンサドーレ札幌対ガンバ大阪戦での荒野拓馬の腕にボールが当たったのはハンドだったか? 湘南ベルマーレ対清水エスパルス戦でのジュニオール・デュトラのゴールシーンがなぜファウルで取り消されたのか? 浦和レッズ対川崎の興梠慎三のオフサイド判定は間違っていた? など、いずれも興味深いシーンが取り上げられている。

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[文:サカノワ編集グループ]

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