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【神戸】フィンク解任の衝撃。酒井高徳が激白「一つ言えるのは」「色んなチームで監督交代を経験してきて…」

神戸の酒井高徳(2020年元日撮影)。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

ドイツのシュツットガルト、ハンブルクでも数多くの「理不尽な状況」を経験してきただけに――。

[J1 18節] 神戸 4-3 鳥栖/2020年9月23日/ノエビアスタジアム神戸

 ドイツ人のトルステン・フィンク前監督とコーチングスタッフが21日に電撃退任したヴィッセル神戸が、サガン鳥栖に4-3の勝利を収め、ホームで8試合ぶりの勝点3を掴んだ。

 神戸の酒井高徳は左サイドバックでフル出場を果たした。ドイツのブンデスリーガで、VfBシュツットガルト、ハンブルクSVでもプレーしてきた29歳の元日本代表DFは、次のように今回の監督退任劇について語った。

「クラブの判断であり、チームが同じ方向を向かなければいけないことは理解しています。けれど……個人的には今までいろんなチームの監督交代を経験してきて、選手が残って監督が去る理不尽な状況に対し、いつもすごく申し訳ない気持ちを持っていました。今回も話を聞いた時、パフォーマンスを発揮できなかったから、こうした事態になってしまったという気持ちがすごく強く込み上げました。そういった気持ちを大事にしたいから、感情的な発言をあまりSNSやメディアでしてきませんでした」

 そのうえで、酒井は応援してくれる人のために、という思いで変わらずピッチに立ったという。

「一つだけ言えるのは、どんな状況だったとしても、勝利を待ち望んでいるホームのサポーターたち、ヴィッセルを応援している人たちがいること。それは変わらなかったので、ホームで勝てていなかった分、サポーターのためにもプレーしたいという気持ちは、毎試合と変わらず持ってできました。そこで少しプラスアルファ、監督が退任し、自分たちがしっかりやらなければいけないところを整理して臨めました」

 一方、その退任劇からの2日間、何かしらの変化はあったか、という問いには、基本的な部分は変わっていないとはっきり口にした。

「守備の人間なので、勝てていなかった理由と言われたら、失点が多いという一言に尽きると思ってきました。もちろんポジショニングや連動性など細かい部分もあります。ただ守備は全員でやるもので、守備陣だけでやるものではない。逆に攻撃も攻撃陣だけがやるのではない。そういった基本的なところがチームとしてあまり機能していなかったと思います」

 結果、この日もアンドレス・イニエスタが全得点に絡む活躍を見せて4点を奪った一方、鳥栖に3失点を喫した。

「今日は勝ちましたけれど、4点取って自分たちの試合にしていたのに、あえて苦しくしてしまうのは(4-2にした3分後に3失点目)、正直、(監督交代で)何かが変わったのではなく、まだ継続されていると感じます。運がよく周りの選手たちが点を取ってくれたので助かりましたが、こうした守備で失点していたら、勝てる試合も勝てなくなってしまう。それは、これからもそう。細かいところを自分自身も反省し、チームとしてももっと話し合っていかなければいけないと思います」

 まず、ピッチの中で何ができるのか。酒井はそこに集中し、自問自答していた。

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[文:塚越始]

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