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日本代表GK権田修一が語ったウーゴ・ヴィエイラの脅威「例えば45度からのシュートに対し」

権田修一(左)、ウーゴ・ヴィエイラ(右)。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

Jリーグ再挑戦があるかどうかも気になるが――。

 10月5日の欧州主要リーグの移籍期間満了を受けてフリートランスファーとなった前ポルトガル1部リーグ・ジル・ヴィセンテで、元J1リーグ横浜F・マリノスのFWウーゴ・ヴィエイラだが、その動向が注目を集めている。32歳のポルトガル人ストライカーはツイッターのアイコンには横浜FM時代の写真を使い、SNSのインスタグラムで、横浜FM、ガンバ大阪、北海道コンサドーレ札幌を「フォロー」していることから、Jリーグ復帰の可能性も!? と、まことしやかに囁かれている。

 そんなななか、日本代表のオランダ合宿中の10月7日のオンラインによる取材対応で、ポルトガル1部リーグのポルティモネンセSCに所属する日本の守護神・権田修一が、「例えば横浜F・マリノスにいたウーゴ・ヴェイエラ選手」と語る場面があった。ストライカーがどれほどの脅威をGKに与えているのか知ることのできる興味深い内容だった。

 テーマは欧州のトップリーグでどうすれば日本人GKがポジションを掴み、活躍できるかについてだった。そのためにも権田が持ち味である“アタックする守備”をどのように生かしていくかについて語っていた時だった。

「現在のゴールキーパーは、いろんなことが求められます。横浜F・マリノスのように裏のスペースを広く守る、あるいは足元のポゼッションを求められることも。僕がサガン鳥栖にいた時はシュートストップのところ、ラインを低くカウンターを狙うチームだから何よりセーブを求められるケースもありました。海外も一緒です。いろんなプレースタイルがあり、いろんなことを求められます。ポルティモネンセに来た当初はマリノスほどではありませんが裏のスペースを守ることがありました。今はそんなにラインを高く守るわけではなく、ゴールを守ることを求められます」

 そのように現代サッカーでは、監督によってGKの求められる特長が異なってくることが説明された。

 そうしたなか権田はアタックする守備について、「『アタックする』というと、前へ、前へ行くというイメージがありますが、少し違い、自分の体よりも前でボールに触る、ボールに対してしっかり力を伝える。そこのイメージはどんな時も変わっていません」と、一貫してきたスタイルを強調した。

 そして――。

「ヨーロッパでは、僕のチームではブラジル人選手も多く、テクニックが優れ、シュートの上手い選手が多い。だから、どう考えても、ポジション的にそこにアタックするのは難しい……という時に逃げる技術が欲しいと思っています」

 上手く伝えられるだろうかと思案する権田が、具体例に挙げたのがウーゴ・ヴィエイラだった。

「例えば斜め45度からシュートが来た時、ボールへアタックすると、ほぼ真ん中にこぼれます。そこに絶対にこぼれるという時、以前に横浜F・マリノスにいたウーゴ・ヴィエイラのようなFWは確実に狙っているわけです。だからこそ、そこにこぼさない技術、その一瞬はアタックしない技術を、レベルが上がってくると必要かなと最近感じています」

 気付けばゴールを陥れている。まさにストライカーでありスナイパー。権田は鳥栖時代にも対戦しているウーゴ・ヴィエイラを例に、戦況を見守りながら“GKがそこにしか落とせない状況”にして待ち構えている構図について、詳しく説明していた。ある意味、GK泣かせのFWなのだろう。

 J1リーグでは2017年(10点)、18年(13点)と2年連続で二桁ゴールを決めているウーゴ・ヴィエイラは、果たして日本に来るのか。あるいは純粋な日本のファンとして、見守っていくということか。いずれにせよ、新天地が注目を集める。

注目記事:元横浜FMウーゴ・ヴィエイラの行き先は?札幌、G大阪を「フォロー」、飛行機に搭乗

[文:サカノワ編集グループ]

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