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J1開幕!しかし長崎の高田明社長が「感慨はない」と明かした理由とは?

長崎がJ1初勝利を目指す!写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

3日鳥栖、10日浦和、ホーム連戦。さらに新スタジアム構想が一気に現実味を増す。

 V・ファーレン長崎が3月3日、2節・サガン鳥栖戦(19時開始)でJ1ホーム開幕戦に臨む。いきなり組まれた”九州ダービー”。大いに盛り上がりそうだ。 

 アウェーで迎えた1節の湘南戦。会場のShonan BMWスタジアム平塚では、会う人すべてに笑顔で頭を下げて挨拶する長崎の高田明社長の姿があった。遠路はるばる駆けつけたサポーターには拡声器を使って感謝の気持ちを伝えた。

 ただ、意外と言うべきか、J1昇格にしたという「感慨」はなかったと言う。

「感慨? うーん。そこはね、僕の性格なのかもしれないけど、昨年のJ1昇格が決まった瞬間に、もう『J1だ』と思っていたので、すでに3か月が過ぎている。そのときから我々はJ1のステージに立ち、進んできました。でも、もちろん私たちを見る周りの目が変わったと、それは感じています」

 経営者のスタンス。高田社長は先を見据え、クラブ運営の大きな流れの先鞭をつけている。もちろん試合には一喜一憂するが、それとはまた別のところで考えを進めていた。

「県庁でのパブリックビューイングには800人弱がいらっしゃってくれたと聞きました。それだけでも長崎県全体のV・ファーレンに対する遠くからの思いを感じ取っています。それに(スタジアムにも)ゴール裏のみならずメインスタンドにも長崎のサポーターがたくさんいらっしゃってくれました。広がっていますね。それは嬉しいです。もっと頑張らなければと思います」

 そして開幕戦の後日、長崎駅から500メートルの土地に長崎の本拠となるサッカー(球技)専用スタジアムの建設を高田社長が検討していると明かす。するとさっそく長崎市議会も市へ実現に向けた要請に動いたという。構想が瞬く間に現実味を増していった。

 長崎ではJ1昇格を機に、大きなうねりが起きている。3日には鳥栖戦、そして10日には3節・浦和レッズ戦が組まれている。いずれも強豪だが、期待に溢れる「熱」を力に変えて――次に狙うのはJ1初勝利だ。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI