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鹿島が新品種の芝生を採用、他スタジアムや施設に事業展開へ

新品種の芝生で鹿島の選手たちをサポート!(写真はケーズスタ)(C)SAKANOWA

従来型が弱かった夏場の耐暑性をカバー。通年の常緑化を目指す。

 (株)鹿島アントラーズ・エフ・シー(庄野洋社長)が今季から、県からの指定管理業を担うカシマサッカースタジアムで、新品種の芝生を採用したことを発表した。また、その芝生はピッチの通年常緑化が可能となったため、今後、サッカーのみならず、自主事業や各種イベントなどスタジアムの利活用を進めていく。さらに独自のメンテナンス手法も新たに開発。「ターフプロジェクト」として、他スタジアムや施設での事業展開を目指すという。

 同スタジアムに採用されたのは「シーショア・パスパラム改良型」。従来の芝は夏場の管理が難しかったが、新品種は耐暑性に優れ、耐陰や耐寒の面でも寒地型に引けを取らない結果が出たことで、採用を決定した。

■ターフプロジェクト■
 2011年から鹿島アントラーズFCがソニービジネスソリューション、セキシン電機、信州大学とともに、BRIGHTURF(※1)開発への取り組みを開始。15年から新たなスポーツターフの品種選定に着手し、スタジアムピッチ常緑化の鍵となる新品種の実証実験に成功。18年シーズンから当スタジアムにおいて採用が決まり、さらに短納期でターフを張替えるビッグロール工法(※2)や独自の養生技術(※3)を新たに確立させ、今年度より他スタジアムでのピッチコンサルティング事業も開始。

□※1 BRIGHTURF
天然芝の成長促進用LEDシステム。スタジアム施設環境下で日照が不足することにより発芽・生長時期が限られるという天然芝の課題に着目し、前述の4者共同のプロジェクトとして開発・商品化に成功。当スタジアムでは2016年より導入。

□※2 ビッグロール工法
絨毯のように巻き取った芝生(ビッグロール)をピッチへ張り付ける工法。従来
よりも施工・養生期間を短縮できることが特徴。当スタジアムでは2013年2018年の全面張替えの際に、同工法を採用しているほか、通常メンテナンス時にも活用。

□※3 養生技術
年間常緑化、メンテナンス作業の効率化を図るため保温シートのシステムを開発。暖地型芝生は通常、冬場は茶色く枯れるが、既設の地温コントロールシステム(アンダーヒーティング)との併用で、通年での常緑化を目指す。

構成:サカノワ編集グループ

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