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ゴン中山雅史が“引退”明言しない理由「カズさんから2トップを組もうと言われました」磐田コーチ就任決定!

沼津での中山雅志氏。(C)SAKANOWA

報道ステーションに登場、J3沼津の選手登録から外れるが「その2文字を言ってしまうと――」。

 J2リーグのジュビロ磐田は1月13日、クラブOBで日本代表として1998年・2002年ワールドカップ(W杯)日本代表FWの中山雅史氏がトップチームコーチに就任したと発表した。

 J3アスルクラロ沼津の選手登録を外れることになった中山氏は同日の「報道ステーション」に登場。「皆さんが思っている二文字は口にしません」と、現役引退とは言わず、心機一転、コーチとしてJの舞台で戦う決意を示した。

「(Jリーグに選手登録されてきた期間)いろんな経験をさせてもらい、自分の喜怒哀楽を最上級に表わせた30年間でした。なかなか、それがやりたくてもできない中でみんな生活していると思うのですが、それを自分の好きなサッカーで表現できた、幸せな30年でした」

 なぜ「引退」を口にしないのか。中山は独自の哲学というべきか、そこにはあくまでもアマチュアカテゴリーから這い上がってきた元祖・雑草魂が根底にはあるようだ。

「(現役に対する)未練はあります。もっとやりたい気持ちがあります。先が見えているわけではない、自分の未熟さ、拙さ、レベルも感じています。そこで皆さんが使う二文字、引く、退くというあの2文字(引退)を僕が使ってしまうと、逃げ場を失うような……。実は怖がりなんです。それを言ってしまうと、自分の逃げ場がなくなるので、今回もプレーヤーとしてのトレーニングはひとまず休みにして、コーチに就くという表現にしました。皆さんがその言葉(引退)を使うのは全然構わないです。ただ、自分が使うと、逃げ場がなくなる怖さがあり、一つ守るためのリスク管理です。その二文字に抗いたい、そんなの受け付けないと、言葉に出すのが怖いんです」

 とはいえ、今度は磐田のトップチームコーチに就任する。全力を尽くす覚悟は固まっている。

「コーチ業を疎かにすることはありません。選手としっかり向き合い、監督をサポートし、そこに全力を投じます。でも、そこからどこかで(選手としての)活路を見出せるのではないのかとも思っています」

 つまりは、沼津に所属していた間も練習に参加してきた中山なりに、壁を感じつつも選手として常に全力で最大限の努力をしてきた。今度はコーチとして、全力で闘うという覚悟である。あくまでもプレーヤーとしての挑戦、可能性はまだ信じているが、それは一旦休止する。だから、これでJカテゴリーに選手登録されるのは最後になるかもしれないことも、もちろん理解している。

 コーチに就任することは、横浜FCのJ最年長、今年54歳でJ1リーグの戦いを迎える三浦知良にも連絡したということだ。

「(カズさんに連絡は?)しました。カズさん、カテゴリーを下げてでも、やりたいと、2トップを組もうと言われました。だから、あの2文字(引退)は使いません!」

 ゴン&カズの2トップ再結成――。その約束を交わしたということだ。永遠のサッカー小僧――その夢のコンビがいつ、どのようなシチュエーションで組まれるのか。かなり先になりそうだが、それもまたとても楽しみだ。

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[文:サカノワ編集グループ]

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