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「特に松井大輔は…」浦和MF阿部勇樹が語る『谷間の世代』“最後の意地”。同い年、塩田仁史の加入も喜ぶ

オンラインでの取材に応じた浦和の阿部勇樹。協力:浦和レッズ

「この年齢になって、まさか同い年の選手が増えてくれるなんて思ってもみなかった」。ちょっと嬉しくなった朝の光景――。

 浦和レッズは1月21日、リカルド・ロドリゲス監督の就任後、初めて練習をメディアに公開した。そのトレーニング後、MF阿部勇樹が取材に応じて、様々なテーマについて語った。

 “ピッチに立てば年齢は関係なし”。それがプロフェッショナルとしてのスタンスだが、今年40歳になる阿部だけに、そういったキャリアに関する話題も。Jリーグデビューから24年目に突入した浦和の22番は、その長く戦える“秘訣”を問われると、「なんででしょうね? うーん。分からないです」と語ったうえで、次のように続けた。

「サッカーを楽しんでやらせてもらっていることが、まずあります。それと同年代、松井大輔がベトナム(サイゴンFC)に行き、駒野(友一)(FC今治)選手がいて、もちろん現役が減ってきている現実はあります。皆さんからはよく『谷間の世代』と言われてきました。その『谷間の世代』が最後まで意地を見せたい。その気持ちをみんな持っていると思っています」

 松井のベトナム挑戦は、改めて阿部の心を触発したと言う。

「特に松井大輔は小学校の頃から知っていて、彼が挑戦するたびにすごく刺激をもらい、大輔が頑張っているから俺も頑張らなければと思わせてくれます。僕より年齢が上の選手もまだまだいるので、負けてはいられないという思いの中でやってきて、それが今につながってきています」

 ただし、ただキャリアのためにサッカーを続けているわけではない。目的は浦和の勝利のため、そして何よりレッズのサポーターに喜んでもらうためだ。

「浦和レッズでサッカーをすることは本当に幸せなことで、もちろん辛い時もあります。でも楽しいです。大勢の方が応援してくれる、こんなチームはなかなかありません。だからこそ、みんなに喜んでもらうためにはどうすればいいのかを考えています。長く応援してもらってきたことに対し、まだまだ逆に返せていない。自分が辞める時って、ある程度、返せたかなって思った時なんだろうなと考えています。まだまだ返したりない気持ちがあります」

 そうしたなか、同じ1981年生まれの塩田仁史が新たに栃木SCから加入した。年代別を含めて日本代表歴がない、阿部とは全く異なるキャリアを歩んできたと言えるGKだ。そんな二人が2021年、浦和でチームメイトになった。

「僕自身は同い年と知っていたけれど、あまり話す機会がなく、本当、初対面のような感じです。この年齢になって、まさか同い年の選手が増えてくれるなんて思ってもみなかったです」

 阿部は嬉しそうに語る。

「まだ数日しか一緒にやっていませんが、朝、グラウンドに来るのも早い。僕もそうですが、準備する時間も『おっさんだから早いんだな』と。似ている人が来てくれて、ちょっと良かったなと個人的に思っていて(笑)。彼もいろんなチームでサッカーをしてきて、いろんな経験を積んできているので、チームに対していい雰囲気や刺激を与えてくれる。特にキーパー陣、(西川)周作、(鈴木)彩艶に。そういった存在になってくれると思います」

 阿部はそんな塩田とチームメイトになれたことを喜ぶ。

「まだ、二人でこうしていけたらいいねという話はできていませんが、チームのためにやる、という選手だろうと、この数日接して思います。ちょっと、まだよそよそしさがありますが、ガンガン自分を出してやっていってほしいです。西大伍は最近ちょっと僕をイジってきていますが。楽しい同年代が来てくれたと思っています。ここまで長くやってきて、なぜ一緒にサッカーをする機会がなかったのかなと不思議にさえ思います」

 昨季はケガにより思うように貢献できなかった。だからこそ、阿部は浦和とともに這い上がる。その覚悟だ。

「谷間の世代の選手が減ってきているのは現実ですが、まだまだ頑張って。頑張るだけではなくて、しっかり戦っている姿を見せていきたい。同年代で続けている選手にも、新たな仕事に就いている方たちにも、僕らがまだ代表して刺激を与えていけたらと思います」

2021シーズンへ。浦和の阿部勇樹が始動。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
1981年生まれ、塩田仁史と阿部がチームメイトに。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

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[取材・文:塚越始]

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