空中戦で流血の昌子「向こうのほうが痛かった」。鹿島は次節、勝てばACL決勝T進出決定
鹿島のDF昌子源。(C)SAKANOWA
グループ首位キープ。DFリーダーはその先を見据える。
[ACL グループH 4節] 鹿島 1-1 シドニー/2018年3月13日/カシマ
鹿島アントラーズのCB昌子源がシドニー(オーストラリア)戦の58分、CFマシュー・サイモンと空中戦で競り合い、両者ともに頭を切り治療を受ける一幕があった。ふたりは頭部にテーピングを巻いてピッチに戻り、怪我を厭わずにプレー続行。そして70分、サイモンがその傷めたヘディングによる執念のゴールを決められてしまう。試合は1-1で引き分け、鹿島はグループステージ首位をキープしたが、決勝トーナメント進出は次節以降に持ち越された。
「向こうのほうが痛かったと思いますよ」
額に絆創膏をつけて試合後に現われた昌子は「大丈夫です」とケガについてはまったく意に介さず、「他会場の結果によっては、今日勝てば(GS突破を)決められただけに悔しい」と勝点3を取りこぼしたことを悔やんだ。
前半は全体のバランスを保つなか、金崎のヘディング弾で先制に成功する。ただし後半に入り、「特に失点してからは点を取るために前へ急ぎ、一方で相手選手は戻れず(鹿島の)ゴール前に残っていた」(昌子)というオープンな展開になり、チームとしての突破口をなかなか見出せなかった。
同グループの2位水原三星(韓国)対3位上海申花(中国)戦は、2-0で水原三星が勝利。グループ内で勝点が並んだ場合、当該チーム同士の成績(得失点差など)が優先されるため、4月3日の次節、鹿島が上海申花に勝てば、決勝トーナメント進出が決まる。
「アウェーですけど、しっかり勝ってそこで決めたいです。できれば最終節まで残したくないですから」
若手や出場機会に恵まれない選手が出場して最低限の勝点1を掴み、チーム力の上積みが感じられた。アジア制覇に向けて――。昌子はすでに先を見据えているようだった。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI