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【鹿島】4-1-2-3の新システム、岩政監督「全てオリジナル」。浦和リカルド監督の5バック対応策に「どのように入り込んでいくか。次の段階へ」

鹿島の岩政大樹監督。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

チーム作りの段階を踏む作業、「結果が出ていないとは思っていないです」。

[J1 28節] 鹿島 2-2 浦和/2022年9月3日18:00/カシマサッカースタジアム

 J1リーグ鹿島アントラーズの岩政大樹監督は、浦和レッズ戦のあとの記者会見で、2-2で引き分けた結果について「選手たちとともに、悔しい思いが強いです」とまず振り返った。

 アルトゥール・カイキが前半2ゴールを決めた。しかし30分、69分の失点でドロー。最後はなんとか引き分けたと言える内容となった。

「このハイペースのサッカーを90分できるとは最初から思っていませんし、僕たちの道の途中だ、ということです」

 ただ指揮官は川崎フロンターレ戦(●1-2)から段階を踏めている、という実感を得られたと頷く。

「立ち位置の整理もその一つです。それにより見えやすい風景を作れたことが、一番大きな要因。絵が見えるようなトレーニングができて、選手たちは手応えを得て今日挑めました。(最近)2週間で勝点1という結果は悔しさしか残りませんが、選手たちの取り組みと、この2週間でここまで行けるんだ、という手応えは思っていた以上のものを得られています」

 就任から4試合では1勝2分1敗。リーグ優勝の争いからは完全に消えた。「結果が出ていないが、内容とどのようにバランスを取るのか?」という質問に、岩政監督は次のように答えた。

「結果が出ていないとは思っていないです。ピッチで見せている景色があります。(勝利など結果に出なくてもいいのか?)それにとらわれていたのが、これまで鹿島です。これまでの鹿島のメンタリティでは選手と接していません。そこは気にしていません」

 また今回、浦和が5バックでスペースを消すという戦い方もしてきた。これもまた、次なるステップだと説明していた。

「いろんな課題がこの2試合で出てきたと思います。一つの要因はリカルドさんが5バックにしてきたこと。ゴール前に対しての準備はしていませんので、そこまですぐに進んでいけるわけではありません。

 一つずつ出てきて、自分たちで課題を見つけていく段階を踏むだけです。5枚にした、というのは、(鹿島の)プレスがかからず、(相手が)ボールをキープをしようというところまで来ました。そこからどのように入り込むかが次の段階です。選手たちがトライしてきたことで、材料が揃ったと言えます。

 もちろん、疲れが見えてくるとできることができなくなったり、交代選手が入ってくると少し絵が描けなくなるという課題もあります。すぐたくさんの組み合わせをする練習もできませんし、それも次への段階です。やってきたことができなければ振り出しに戻ったりもしますが、そうではない(上向きの)段階に持っていけていることに手応えを得ています」

 川崎戦から4-1-2-3(FW登録の仲間隼斗がトップ下気味、4-4-2とも言える)という、鹿島の伝統の香りがしつつも、斬新とも新しいとも言えるシステムで戦っている。この指揮官が見出した「立ち位置」のバランスについて、岩政監督は「全てオリジナル」と語った。

「(選手の立ち位置について)全て自分のオリジナルで作っています。それがどのようになっていくのか。選手たちと少しずつ変化させ、バリエーションを作っていきます。面白いやり方だなと自分でも思っていますし、成果も見えています。

 そのなかで相手が対策してきたことに、どのようにするのか。それが次の段階です。

 いずれにせよ、この2試合で、見たかったことが表われ、思っていた以上に、選手たちが出してくれました。特に今日の前半の戦いを今後続けるためにどうするか。相手が対策してきても、どう続けるか。メンバーを変えて、どのように続けるか。次の段階に進めればいいですが、中3日で試合があり、進めていきます。大事な試合で(天皇杯)、どう勝つかにフォーカスしたいです」

 9月7日は天皇杯・準々決勝のヴィッセル神戸戦。どうやら「勝利」に比重を置いて、一度戦うことになりそうだ。

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