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鹿島元コーチの黒崎久志氏が中国1部・山東泰山のヘッドコーチ就任

鹿島コーチ時代の黒崎久志氏(2019年6月ACL広島戦より)。(C)SAKANOWA

鈴木優磨、伊藤翔、山口一真らFW陣の特長を引き出す。2018年にはACL制覇に尽力。新潟で監督、大宮でコーチを務める。

 鹿島アントラーズの元コーチである黒崎久志氏がこのほど、中国超級リーグ(1部)の山東泰山足球倶楽部(Shandong Taishan Football Club)のヘッドコーチに就任した。

 近年力を付ける山東泰山は現在、アジアサッカー連盟(AFC)から通達されたACL(アジアチャンピオンズリーグ)の今季出場権はく奪に揺れている。現地報道によると、2016-17年に率いたフェリックス・マガト監督時代のコーチが給与面に対する不満を発したことによるという。アジア制覇を目標に打ち出す山東泰山は、AFCのこの決定に対し不服を申し立てている。

 今回の措置はいずれにせよ、黒崎氏のコーチとしての職務には影響しない。中国超級リーグのクラブにとって、リーグで勝ち続けることとACL制覇は大きなステータスであり、鹿島でコーチとして2018年にACL制覇を達成している黒崎氏にその“鹿島流”の力を求めた形だ。

 同年6月に鹿島のコーチに就任した黒崎氏は、鈴木優磨、山口一真、伊藤翔ら日本人ストライカー、さらに2列目のアタッカー陣のモチベーションを高めるとともに持ち味を引き出した。2018年にはアジア制覇につなげ、2019年まで鹿島のコーチを務めた。大岩剛前監督の退任とともに、昨季はアカデミースタッフに就任していた。

 黒崎氏は1968年5月8日生まれの52歳。栃木県鹿沼市出身。現役時代は本田(JSL)から、鹿島、京都、神戸、新潟、大宮とJクラブでプレー。通算成績はJ1リーグ202試合・69得点、J2リーグ104試合・30得点、JSL1部95試合・31得点。日本代表25試合・4得点。94年アメリカW杯を目指して「ドーハの悲劇」を味わった日本代表アジア最終予選メンバーの一人。

 指導者としては、2004年に鹿島ジュニアユースコーチ、05年に鹿島ユースコーチ、08年からアルビレックス新潟のコーチ、2010年から12年まで新潟の監督を務め、10年に9位、11年に14位に導いた。その後、大宮のコーチとしてもJ1残留を果たしている。U-15日本代表コーチ、JFAナショナルトレセンコーチも担った。

 また2017年12月から4か月、日本サッカー協会(JFA)の指導者海外育成プログラムで、ドイツにも渡っている。宇佐美貴史が在籍していた2部デュッセルドルフを中心に、ブンデスリーガでの指導法などを学んだ。

 山東泰山は中国国内でもサッカー熱の高さで知られる山東省済南市をホームタウンとしている。1993年に誕生し、これまで中国超級リーグは通算3度制覇、昨季の国内カップでも優勝している。同リーグは今季から企業に関わる文言をチーム名やエンブレムに入れることを禁止したため、山東魯能から改称している。

注目記事:【インタビュー】黒崎久志氏が名伯楽フンケル監督から与えられた「日本サッカー界の宿題」

[文:サカノワ編集グループ]

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