【神戸】東京五輪代表候補の郷家友太が鮮烈の決勝点、「今年のヴィッセルは違う」
郷家友太。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
自らのショットの跳ね返りを押し込む。3.11前日、「まさかゴールを決められるとは、いいニュースを届けられたかなと思います」
[J1 3節] FC東京 2-3 神戸/2021年3月10日/味の素スタジアム
J1リーグ3節、ヴィッセル神戸のU-24日本代表候補のMF郷家友太が2-2で迎えた85分に強烈なショットを叩き込み、打ち合いに決着をもたらした。
ドウグラスが2ゴールを決めたが、FC東京のディエゴ・オリヴェイラと永井謙佑の得点で同点に。両チームにスペースができて、さらにゴールが決まりそうな予感が漂うなか――85分、神戸の新「7」番がゴール正面から振り抜いたショットはポストを叩き、その跳ね返りを押し込んでみせた。
郷家はゴールシーンを振り返る。
「(ボールを受ける時は)空中に浮いていて周りがそんなに見えていなくて、トラップした時にはシュートのことしか考えていませんでした。打ったらポストに当たったのでそのまま詰めて、いいところにこぼれてきたので、あとは流し込むだけでした」
劣勢を強いられたなかで修正を図り、むしろ打ち合いに真っ向から挑み、そしてチームの中心的存在となってきた郷家が決めた。神戸の進化を感じさせる勝利でもあった。
「2-0で勝てれば一番良かったですが、相手のペースに飲まれ2失点してしまったところはまた課題が出たので修正したいです。ただ昨年であればこのまま引き分けたか落としていたかもしれないけれど、『今年のヴィッセルは去年と違うんだぞ』というところを、この3節までに見せられたのではないかと思います」
宮城県多賀城市出身である郷家は、3.11前日のこのゲームに特別な想いで臨んだという。
「毎年この3月になるとすごく特別な気持ちがあります。特に今日は、試合が前日のタイミングで重なり、まさかゴールを決められるとは、いいニュースを届けられたかなと思います」
タフさの増す21歳、郷家の強烈な一撃で、神戸が2勝1敗と白星を先行させた。
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[取材・文:塚越始]