【G大阪】宇佐美貴史が今季初ゴール!初勝利を呼び込んだ福田湧矢へのアドバイスとは?
G大阪の宇佐美貴史。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
サガン鳥栖に1-0。「まだ選手はイメージと体がついてきていないと感じている。そうしたなかで試合前の練習で湧矢を見て――」
[J1 18節] 鳥栖 0-1 G大阪/2021年4月14日/駅前不動産スタジアム
困難を乗り越えてきたガンバ大阪がようやく今季初ゴール、そして今季初勝利――。ミッドウィークに組まれたJ1リーグ、G大阪が宇佐美貴史のゴールでサガン鳥栖に1-0の勝利を収めた。
スコアレスで迎えた68分、左サイドの福田湧矢からのクロスを、ファーに流れていた宇佐美が完璧なボールタッチでコントロール。そして右足を振り抜きゴールネットを揺らした。
そのシーンについてガンバのエースは振り返り、試合前、福田に一つ”注文”していたことを明かした。
「(チーム全体練習の)再開からまだ期間も経っておらず、イメージと体がついてきていないのを選手それぞれが感じています。そうしたなかで、今日の試合前の練習で(福田)湧矢を見て、『抜き切らずクロスを上げるのも視野に入れたほうがいい』ということを伝えていました」
すると福田がそのプレーを意識していると察し、宇佐美も得点の予感を高めたというのだ。
「前半そのクロスから決定機が作れていました。そこで予感はあり、(ゴールの)瞬間は、湧矢が僕をチョイスしてくれるように、しっかり選択肢になれるポジションに入ることを心掛けていました。低くて止めやすいボールをくれて、あとは決めるだけでした。そこを見てくれた湧矢に感謝しています」
そのような背景と経緯からG大阪の2021年のリーグ戦ファーストゴールは生まれた。
これまで4試合ゴールなし、チームは未勝利。ケガで出遅れたとはいえ、宇佐美自身も大きな責任を感じていた。
「俺がやらな、俺がやらな、と、他のことも考えられなぐらい頭がいっぱいになっていました。ただ、一方で、誰か一発決めてくれという思いもありました。自分が決めないと、というのと、誰かが決めてくれと。正直、両方の気持ちがありました」
その呪縛から、チームも解放された。
この日はいくつかの修正を加えながら、ゴールに辿り着いた。そういったチームの底力を示せたのもプラスに挙げられる。一方、課題も感じ取っていた。
「(立ち上がりは)守備の時間が長かったので、チームをどのように前に持っていくかを考えていました。押し込まれる時間よりも、押しこむ時間を増やせるように。しっかり自分が前でボールを収めて押し上げられれば、そこでボールを回せて、アイデアや技術も落とし込めると考えました。でも、なかなかそうできず結構押し込まれ続けたかなとは思います」
とはいえエースの価値ある一撃だ。G大阪の宮本恒靖監督も次のように評価していた。
「まだ本調子ではないと思っています。もっと危険なプレー、味方を鼓舞するようなプレーを期待しています。後半から少しポジションを修正したなかでいい形で起点になってくれました。ゴールにつなぎ勝利に導いてくれた。彼が点を取るとチームも勢いに乗ります。シンプルに良かったと思います」
G大阪が一丸となって掴んだ今季初白星、号砲はエースの会心弾だ。ここから勢いよく突き進みたい。
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[文:サカノワ編集グループ]